2005年9月24日

ハワイ出張・初日

昨日から、UH88およびすばる望遠鏡での観測ため、ハワイ観測所を訪問中です。実際の観測は明日からなので、今晩は徹夜して観測に向けて体調を整えます。UH88は初めてなので、楽しみ楽しみ。

今回の観測は、SDSSおよびHSTによるSupernova Surveyで見つかったIa型超新星を、UH88とすばる望遠鏡を用いてfollow upするというものです。UH88ではImagingを、すばるでは分光を行います。・・・と、ここまで書いて読み直してみると、さっぱりわかりやすやくないですね。書き直してみましょう。

今回の観測では、スローンデジタルスカイサーベイ(SDSS)およびハッブル宇宙望遠鏡(HST)で発見したIa型超新星を、ハワイ大学の88インチ望遠鏡(UH88)およびすばる望遠鏡で追加観測します。Ia型超新星を追加観測すると、Ia型超新星の個性を知ることが出来るので、重要なんですよね。もちろん、成果はお天気次第なんですが、今回の観測ではすばるからもUH88からもかなりの日数をもらっているので、結果が楽しみです。

今回観測する天体は、他の観測所との兼ね合いがあるので、実はまだ決まっていません。候補は決まっているんですけどね。とりあえず、候補天体をアストロアーツのステラナビゲータを使ってプロットしてみた図を作って遊んだりしていました。Tenpla "Seiza" Resolverも使いつつ作ってみたんですけど、こうやってグラフィカルにしてみると自分がどこらへんの天体を観測しているのか直観的にわかって、なかなか楽しいなぁということを再発見です。

そうそう、ATP英語版でお世話になっているU(S)さんにも無事にご挨拶することができました(^^)。明日はショッピングモールで彗星模型を作ったりするそうです。ハワイの天文学普及、なかなか進んでいて楽しげです。

投稿者 たかなし : 22:51 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月19日

宇宙観はセンターとライトの間

↑なんだかとっても深い意味があるようで全く無意味なタイトル。

今日は天文台でテニスでした。中高の頃の友人で、草テニス好きな連中と一緒に遊んでるだけなんですが、各自いろいろ面白いことをやっているので、天文台に呼んだついでに天文学の話を刷り込んでは一緒にコラボレできる可能性を探っています。SE、メディアアート、ばりばりのビジネスマン、司法関係者・・・などなど、みんないろんな事をやっているので刺激を受けますね。良いリフレッシュになりました。久々に同窓会なんて誰か企画しないかなっと。

↓友人に紹介された、彼の関わっているアートプロジェクト
http://www.howeb.org/j/

投稿者 たかなし : 00:31 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月18日

ジェンダー論と科学

学界でアウトリーチ的な活動は、陰陽の“陰”にあたる分野だという認識が、業界的にはあるように感じます。研究を進めることこそ本道で、アウトリーチ的な活動はほとんど評価されないというのがこれまでの学界の態度だったと私は感じているのですが、この状態は、ジェンダー論で言うところの女性的な仕事(家事や育児のように、金銭的に評価されない仕事)と同じ構図だなぁなんて事を考えていました(最近はかわってきているとは思いますけど)。社会の再生産を担う育児といった仕事よりも、会社で働いてお金を稼ぐ方を重視する社会ってぇのは、まさに次世代の科学者を産み出すアウトリーチ的な仕事よりも研究して論文を書く方が重視される構図とアナロジーだなぁと。はたして、科学業界って昔からこうだったんですかね?

歴史を遡って考えてみると、中世の科学者と呼ばれる人たちは積極的にアウトリーチ活動をしていたように思えます。そもそも、基礎科学のように直接的に生活向上に結びつかない反社会的なものは、パトロンが付かなければやっていけません。パトロンに対して積極的なアピール(=アウトリーチ)が、当時の科学者には不可欠だったように思われます。

これが、今のような状況になったのも、全ては生産効率を追い求めたからなんでしょうね。近代化の中で、家族が現れ、家族の中で育児と外でお金を稼いでくる仕事が分化したのと同じように、科学者も組織化され、研究とアウトリーチを分業する今の仕組みが出来上がってきたんだろうなぁなんて考えるわけですよ。もちろん、研究一本槍の学者さんは現役時代はそれでシアワセだと思いますが、それはまるで会社一本槍で勤め上げた人が定年後に迎えるであろう社会からの疎外感をそのうち味わう羽目になるのではないかと心配してしまいます。業界内でも理解するのが難しい専門知に、市民が簡単についてきてくれるとは到底思えませんからね。一方で、なぜかはわからないけど低く見られているように感じるアウトリーチな人たちも、本来は感じる必要のない不要なストレスを感じていそうで、それもそれで改善する必要がありそうに思えます。

ジェンダー研究な人たちの行動に習えば、我々がすべき事は、やはりもっと選択肢を増やすことでしょうね。研究一本槍と同様に、アウトリーチ一本槍、研究とアウトリーチを半々ずつといった多彩なオプションを、科学コミュニティに所属する“研究者”がバイアスなく自由に選べる環境を用意することが必要じゃないかなと思えます。とりあえず、ジェンダー論的な見地でいまの科学業界を眺めてみると、なかなか面白いということを発見した事を忘れないためのメモでした(笑)

投稿者 たかなし : 01:41 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月16日

チョビを求めて

今日は日帰りで北大まで行ってきました。来月の初め、北大の科学技術コミュニケータ養成ユニットと天プラで共催するサイエンスカフェの打ち合わせのためです。この科学技術コミュニケータ養成ユニットは今年の10月から開講する講座で、いまは開講準備に大わらわといった感じです。このサイエンスカフェの他にも、サイエンスライティング講座、地域ラジオでの番組作りなどなど面白げな事をやるそうで、とても期待が大です。みなさん、ぜひ頑張って下さいね。

北大科学技術コミュニケータ養成ユニット
http://fox44.hucc.hokudai.ac.jp/~scicom/

さて、ここのスタッフの皆さんにお昼に連れていっていただいたのですが、そのお店、座談会や演奏会など地域イベントなども頻繁に行っているギャラリー兼喫茶のようなお店で、まさにサイエンスカフェにうってつけ。本当の地域密着のサイエンスカフェって、きっとこんな店でやるべきなんだろうなぁなんて思いましたので、早速「今度札幌に学会で来るんだけど、天文話させてもらって良いですか?」と交渉してみました。今は交渉中なんですけど、どうなることやら楽しみです。

「みんたる」
http://www.mintaru.com

投稿者 たかなし : 00:44 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月15日

Propeller Cafe

今日はお昼の時間に、A型先生+天プラ天文台メンバーで調布飛行場内にあるPropeller Cafeに行ってきました。このPropeller Cafeは、天文台からすぐの調布飛行場の中にあるカフェで、研究室の先輩にその存在を教えて頂きました。中がどんな様子なのかは下のマリブクラブのサイトで確認してほしいのですが、このカフェはまさに調布飛行場のアウトリーチ活動の象徴だと言えます。ちょっと調べてみると、調布飛行場は「調布飛行場まつり」やあの天文台マダムも入っていた「調布飛行場友の会」などなど、様々なアウトリーチ活動をしていて、こんな身近に良いお手本がいるなんてとびっくりしています。国立天文台でも、ぜひ独特なカフェをオープンさせたいですね。

ところで、このPropeller Cafeとコラボしませんか?という話もいただきました。夜間は滑走路をつかわなくなるので、視野がとても広い滑走路で寝っ転がって観望会とかできたら楽しいなぁなんて考えています。なんか良いアイディアがある人は、ぜひご一報を。

マリブクラブ(運営組織)
http://malibu.jp/

投稿者 たかなし : 01:06 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月14日

Tenpla "Seiza" Resolver

天文センターを歩いていたら、助手のMさんに呼び止められました。曰く、「星座の、役に立ったよ」とのこと。作っておいてすっかり存在を忘れていたのですが(私は作ると満足する人)、赤経赤緯を入力するとその場所は何座に属するかを教えてくれるTenpla "Seiza" Resolverが報道資料作成に役立ったようです。このTenpla "Seiza" Resolverは、自分が研究している天体が何座にあるのかわからーんという研究者が手軽に調べられるように作ったモノですので、本来の目的で使われたわけですね。めでたい。

「最も遠い「宇宙の閃光」をマグナム望遠鏡が捕えました」←この記事で使われたようです
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/~minezaki/GRB050904/050913-0.html

投稿者 たかなし : 22:44 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月14日

Oohira syndrome

テレビ、雑誌、ドラマ、CM、新製品の販売・・・メガスター制作者の大平さんの活躍ぶりはめざましいですね。大平さんという人間が、ある意味社会現象化した原因は、SNさんも指摘している通り大平さんの生き方が支持される土壌が日本に出来てきたからなんだろうなぁと思って眺めています。50年前に大平さんが生まれていたら、間違いなく社会的にはドロップアウトした人間として見られていたように思えますもんね。

大平さんご本人が望む望まないを別として、大平さんが世の中に与えた影響は天文学的に絶大です。我々はこの機を逃さず、大平さんによって興味を励起された人たちを次なるステップへ誘う選択肢を豊富に用意しておかなければいけないでしょうね。このブームがどれほど世の中に影響を与えたかについては、ぜひ分析してみたいところです。誰か一緒に調査してみません?(笑)

投稿者 たかなし : 01:26 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月11日

永井さんち合宿

高井戸第二小の観望会を終えた後、「地球がもし100cmの球だったら」でブレーク?した永井さん邸にお邪魔して、楽しい時間を過ごさせていただきました。永井さんは、松下政経塾の科学コミュニケーション版を立ち上げるための第一歩とおっしゃっていたような気もしますが、大平さんドラマのビデオみたり、議論をふっかけふっかけられたりと乱取りみたいな宴会でした。奥様&ご近所様には深夜にうるさくしてかーなり迷惑をおかけした気もしますが、なかなか楽しかったですね(笑)。

この席には、永井さん人脈で元科学未来館副館長の境さんもいらっしゃっていたのですが、サイエンスカフェとはなんぞやという話の中で、「知の民主化の場だ」という事をおっしゃっていたのが印象的でした。市民を啓蒙する場ではなく、科学者も啓蒙される場だという言い方が誤解がないかな?札幌で行う予定のサイエンスカフェの内容を考えるにあたって、ついつい市民の皆さんにどう天文学が受け入れてもらえるかをばっかり考えていたので、ちょっと頭を切り換えないと。良い刺激をありがとうございました。

「地球がもし100cmの球だったら」
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9976158858

「メルプロジェクト」←境さんの関わっているやつです、楽しそう
http://mell.jp/

投稿者 たかなし : 01:10 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年9月10日

観望会@高井戸第二小学校

今日は、杉並区の高井戸第二小学校で観望会をしてきました。お昼までは雲が出ていてどうなることかなと思っていたのですが、観望会の始まる前になるとすっきり晴れ、良い条件の下で開催することが出来ました。誰の行いが良かったんでしょうね。参加者は親子合わせて、150人程度、大入り満員でした。

我々の行う観望会の特徴は、望遠鏡をただ覗いてもらうだけではなく、プロジェクターなども同時に使ってなにを見ているのか、どんな天文学的背景があるのかについても解説を行うところです。ふつう、観望会は真っ暗にして行うものなのですが、東京のように夜空が明るいところではそんなに暗さにこだわってもしょうがないだろうということで使っているのですが、お客さん受けも良いですね。観望会を実施しているみなさまも、ぜひ試してみて下さいな。

私自身の観望会で必要とされる基本的なスキル(解説や望遠鏡操作)が低いのですが、子供の面倒を見たり、観望会をセッティングしたりといった事ならそれなりにがんばれます。観望会のようなイベントってとても楽しいと私は思うのですが、望遠鏡が使えないからとかそういった理由で観望会にスタッフとして参加することを遠慮する人はおもったいないことしていると思います。観望会というのはなにも決まったスタイルがあるわけではないので、自分のスキルで出来ることを提案していけば良いのです。あなたも、自分しか出来ない方法で観望会、してみませんか?

投稿者 たかなし : 22:27 | - | コメント (0) | トラックバック (0)

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