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2008年7月26日

研究会の季節

ドイツでの研究会に向けて出発する日が明日に迫ってきました。ポスター発表のためのポスター印刷は済ませたのですが、その他諸々の準備がまだ残っています。というところで、電気使用量オーバーで大学の物理館が停電。復帰しなかったらどうしようと焦りましたが、1時間ほどで回復しました。いやはや。もっと早く準備しておけということですね。

夏休みは世界各地で研究会が行われていて、研究室のまわりも静かです。学生さんたちの何人かは、中国の北西部で開かれる East Asian Young Astronomers Meeting 2008に行っています。日本台湾中国韓国の4極から若い天文学者たちが集まって開く研究会です。かなり行くのは大変そうな場所ですが、こんな場所で開く理由は研究会最終日の8月1日、現地で皆既日食が観測できるからでしょう。

この日食、日本のグループとしては ライブ!ユニバース がいつものようにインターネット中継してくれるわけですが、台湾と中国でもウェブ中継があるそうです。日全食全球華語網路直播。ウェブサイトに並んでる組織を見ると、北回帰線が通る台湾の嘉義市を中心に台湾と Mainland China のいろんな機関が参加するんですね。「天文社」って日本でいうところの天文部でしょうか。

僕も一度くらいは皆既日食見てみたいんですが、なかなか。2009年の日食では、豪華客船飛鳥IIの世界一周クルーズの最後に皆既日食観察が組み込まれていたり、チャーター客船が出たりするそうです。天プラ有志も日食クルーズの提案をしに商船会社に行ってみたりして、あわよくばスタッフとして乗せてもらえないかと目論んでいたのですが、残念ながらその企画自体は実現しませんでした。でも結局日食は見るようなので、天プラのプレゼンが少しでも実現の後押しになっていたらいいな、なんて思っています。

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投稿者 平松正顕 : 19:27 | 研究生活@台湾 | コメント (0) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年7月22日

ドイツ→フィンランド

ずっと前に書いた気がしますが、申し込んで定員オーバーのためキャンセル待ちに並んでいたミュンヘン郊外での研究会 The Early Phase of Star Formation 2008、どなたかがキャンセルしたせいでしょう、参加できることになりました。口頭発表ではなくてポスター発表(A0サイズのポスターを貼って研究を紹介)ですが、僕が今やってる研究ととても関連の深い研究をされてる皆さんが集う場に参加できるというのは大変うれしいです。海外での国際研究会は、惑星の定義が決められた歴史的な場、2006年8月のIAUプラハ総会以来です(あ、2007年4月に台湾で発表したの忘れてました。。まあ今や台湾にいるので、ノーカウントということで)。それから2年のうちに投稿論文も受理されたし博士論文も書いているし4か月台湾で英語生活をしているので、研究紹介も以前よりはうまくいくはず。しかも今回は定員60名の小さな研究会ですし。大学院時代、「Big namesに会って知り合いにならなかったら、研究会に行く意味がない」と指導教員であった先生に言われましたが、今回はその絶好の機会なので頑張りたいところです。同世代で同じようなことやってるアメリカとカナダの研究者と話してみるのも楽しみです。やっぱり単に論文を読んでいるのと、似たような研究を自分でやってうんうん唸って考えたあとでは、同じ人の研究結果でも違って見えるもの。健全な疑いの目を持てるとも言えるでしょう。

研究会が終わったあとは、僕と同じ領域(カメレオン座分子雲)を研究しているヘルシンキ大学の研究者さんとのミーティングです。天文学に力を入れている先進国が北半球に集中しているせいで、南の空に位置するので南半球からしか観測できないカメレオン座の観測例は比較的少ないのです。先方は共同研究のための材料をお持ちなので、今後につながるミーティングになると思います。

投稿者 平松正顕 : 22:12 | 研究生活@台湾 | コメント (0) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年7月18日

カモメは飛び去った

台風KALMAEGI(韓国語でカモメ)は、朝のうちには台湾海峡に抜けていきました。午前中はちょっと外に出たくない天気だったので家でテレビのニュースを見ていたのですが、特に南部で雨がひどく、台中市あたりでは道路がかなり冠水してしまっていたようです。新竹でも雨は激しく降っていましたが、冠水するところまでにはなっていませんでした。南部を中心に死者行方不明者が10名を超え、農作物への被害も1億元を超えると報道されていました(中国語は聞き取れなくても、字幕を読むとそれくらいの推定はできます)。今回の台風を「中程度」と予想した台湾の気象局、そして朝から予定通り健康診断に行った総統を非難するニュースもちらほら。

右の画像は日本の気象庁のページから取ってきた今回の台風の進路図。台湾の上空で90度進路を変えてますが、その折れ曲がり点のすぐ北側の海岸線のあたりが新竹市です。台湾の気象局のページでも、雲の様子を伝えています。たとえばこのページ。画像下に"MTSAT 紅外線雲図"とあるように、日本のMTSAT、つまり「ひまわり」の画像を使っています。台湾もFORMOSATという地球観測衛星を持っているようですが、毎日の天気予報に使えるようなデータは取らない衛星のようで、ひまわりのデータを活用してるんでしょうね。次期気象観測衛星の予算がつかないかも、というニュースが以前新聞に出てましたが、そうなると台湾の天気予報も大打撃でしょう。まあ日本の政治家の皆さんも気象観測衛星がなくなるとどうなるかくらいわかっていると思うので、何とか予算は付くと信じてますが。

投稿者 平松正顕 : 23:50 | 研究生活@台湾 | コメント (2) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年7月17日

サイエンスカフェ@ボストン

中度颱風KALMAEGIが接近中です。朝から雨が降っていますが、風はまだそれほどでもなく。最接近は明日の朝のようです。

台湾に来て3か月、だいぶ英語でのコミュニケーションにも慣れてきました。相手もネイティブじゃないので多少楽な環境ではあるのかもしれません。とはいえ聞き取り能力もまだまだなので、英語のポッドキャストを聞いています。いくつかiTunesのリストに入れているのですが、そのうちのひとつ、Slacker Astronomyで、ボストンでのサイエンスカフェについて紹介しているエントリーがありました。

ボストンでサイエンスカフェをやっている人のインタビューがメインですが、このポッドキャストの冒頭には、リスナーに向けてサイエンスカフェとは何ぞや?という紹介があります。超要約すると「たくさんの人が集まるところで、『私は科学者です、〜〜を専門にしてます。何か聞きたいことある?(ここは原文のまま)』といって始める、科学の一番カジュアルな方法」とのこと。これだけカジュアルにできるといいんですけどね。

インタビューでは、ボストンの放送局WGBHのBen Wieheさんが自身の開催するサイエンスカフェについて述べています。(余談ですがこの方、以前 WIRED VISIONに出たサイエンスカフェの記事にも登場してます。)彼は自分のアパートの向かいにあるバーでサイエンスカフェをやっているそうですが、
・始まる前にサイエンスカフェと関係ない人が30人ほどが飲んでいる。
・サイエンスカフェのためにやってきた人がもう30人くらい。
・突然テレビに3分間ほどのビデオを流し、最後に「科学者がいます」と案内を出す。
・会話のきっかけとなるトークを5分。以後適宜テーブルを回ってフリーディスカッション。
という形式だそうです(僕の聞き取りが間違ってたらごめんなさい)。「最初のトークについては人それぞれのやり方があるだろうけど、自分は5分と決めてる」とのこと。そしてメインのターゲットは「サイエンスカフェと関係なく飲んでる人たち」。彼のサイエンスカフェは新たな層を開拓して科学に興味がない人に科学を届けるのが目的だそうなので、そう言っているのでしょう。

日本でもサイエンスカフェはたくさん開催されてます。サイエンスカフェ・ポータルとか見るとそりゃあもういっぱいあるわけですが、たいていはそれを目的にして会場に来た人たちが相手だと思います。もちろん関心がある人と科学者が議論したり理解を深めたりというのは重要なのですが、ここで紹介されたような半分ゲリラ的なサイエンスカフェもやってみたいなぁと思うわけです。ゲリラ天体観測天の川急便では天文台の観望会には来ないような人たちに『宇宙との突然の出会い』をお届けしてきたわけですが、サイエンスカフェでもそういうのができると面白いだろうなと思います。面白いと同時に難しい試みでもあるのですが。なので、完全にゲリラ的ではなくBen Wieheさんの場合のように、参加者の半分くらいはサイエンスカフェのために来た人、にしておくのが良いのでしょうね。そうすれば、仮にもとからいた半分の人が全く興味を示さなくても、なんとかなりそうです。もっとも、Benさんは「誰でも何かしらの意見や考えは持ってるし、特別な知識を持ってる人もいる」と話しているので、興味を引き付けるような最初の3分なり5分なりのトークが重要、ということでしょうか。

ポッドキャストの冒頭には、「この手のイベントは誰かに許可を取らなくてはいけないものではない。誰でもできる。もし科学者の知り合いがいたら、あるいは自身が科学者なら、やってみるべき」とも言っています。周到に準備したサイエンスカフェもいいんですが、気楽に開催・参加できるサイエンスカフェももっとあっていいなぁと思うわけです。

投稿者 平松正顕 : 20:10 | サイエンスカフェ | コメント (0) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年7月14日

ATP@仙台市天文台

仙台市天文台のことを取り上げたら、仙台の知人から写真が送られてきました。開館日で大盛況の天文台ミュージアムショップ、そしてATP。お客さんの顔が見えないようにちょっとトリミングしたのでちょっとわかりにくいですが、もうお客さんでいっぱいな感じです。そして楽天イーグルスのキャップをかぶった男の子。いかにも仙台っぽいですね。

ATPの上の段には、レーザーで点を打って立体的な絵を透明なプラスチックの中に描いてあるよくあるアレ。隣には星座早見盤とロケットのペーパークラフト。無造作に展開されたトイレットペーパーが何とも言えない味を出してますね。

開館日は入場無料ということもあってお客さんでごった返していたようですが、その後の週末も結構たくさんのお客さんがいらっしゃっているようです。宇宙とつながる新しい場、立ち上げ時期はいろいろ大変でしょうが、今後も仙台市天文台の活躍を応援しています。

投稿者 平松正顕 : 20:09 | hiramatsu log | コメント (0) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年7月12日

宇宙を身近に。

ちょっと紹介する時機を逸してしまいましたが、7月1日に仙台市天文台が移転・リニューアルオープンしました。前身となった旧仙台市天文台は1955年のオープン以来たくさんの人の頭と心に宇宙を刻んできたそうですが、老朽化と観測環境の悪化で今回の移転となったそうです。口径1.3m望遠鏡とドーム径25mの最新プラネタリウムを備える、日本トップクラスの天文台と言えるでしょう。機会があればぜひ行ってみたいものです。

で、新天文台オープンに先駆けてロゴが発表されていました。ウェブページ左上にある矢印の形をしたロゴです。これを初めてみたときは正直言ってそんなに強い印象をうけなかったのですが、あとからその威力を感じることになりました。天文台のサイトや、ロゴの変更を取り上げる Brand New というサイトに載っている他のヴィジュアルイメージと一緒になるとすごくかっこいいのです。

ヴィジュアルを担当した the johnson bank のサイトには、様々なイメージが掲載されています。女の子が土星の輪でフラフープ遊びをしていたり、陸上選手が走っているトラックに木星や土星が並んでいたり、コーヒーカップに天王星の輪があしらわれていたり。「宇宙を身近に」という仙台市天文台のコンセプトを johnson bank のデザイナーが解釈するとこうなるということでしょう。そして矢印ロゴを入れることで、仙台市天文台が宇宙を身近にする役目を果たすという形が見えてくるわけです。うまいですね。1.3m望遠鏡もデザイナーがかかわったという話も聞きました。デザインも含めた総合力で宇宙の魅力がさらにアップすれば、言うことなしです。


あ、新しい仙台市天文台のミュージアムショップでは我らがATPも販売中ですので、ご訪問の際にはぜひ。

投稿者 平松正顕 : 19:16 | hiramatsu log | コメント (0) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年7月8日

両岸直行

大陸台湾間の直行航空便の運航が解禁された先週、Mainland Chinaに帰るポスドク同僚の歓送を兼ねたお出かけに行ってきました。場所は新竹市と台北の間にある鶯歌/山峡 (Yingge/Sanshia)。

彼はもともと先日の四川大地震の震域に近い雲南天文台で博士号を取り、台湾でポスドクとして研究を進め、再び雲南天文台に戻ってポスドクとして働くことになったそうです。9月にパパになるというのも今回の移動の大きな理由なのかもしれません。今でこそ親中派の国民党が政権与党ですがつい数か月前までは対中強硬路線の民進党が与党だったわけで、彼自身の研究活動にもいくらか制限が付いていたとのこと。僕は別に独立派でも統一派でもないですが、そういうところで自由な研究ができない環境ができてしまうというのも理不尽なものです。そういえばこちらにいるクロアチア(だったかな?)出身のVisiting Scientistも、EU諸国の研究機関には直接就職できないと言っていました。いったんEU圏外の研究機関に所属した後なら問題ないらしく、「ヒューマン・ロンダリング」みたいだとこぼしていました。科学の世界といえど政治や社会と無関係ではいられない、ということですね。

Farewell dinner に向かう途中、オーストラリア人ポスドクがスペインの研究機関に移るという話も出ました。そしてDinnerではつい先日台湾に来たインド人ポスドクが合流。これだけ国際色豊かなメンバーを擁する所は、日本ではあまりないでしょう。ここにいると、天文学の研究が世界規模で進んでいるということを頭ではなく肌で感じることができます。

投稿者 平松正顕 : 23:57 | 研究生活@台湾 | コメント (0) | トラックバック (0) | このエントリーを含むはてなブックマーク

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