2005年5月21日

ウェブサイトの効能

まずはこのページをご覧ください。

http://www.sanpedroatacama.com/ingles/home.htm

ホテルやレストラン、旅行会社、そして村の写真や地図などが満載です。これは、チリ・アタカマ高地にあるサンペドロ・デ・アタカマという村のウェブページです。この村は、次世代巨大電波天文台ALMAや、それに先駆けて観測を展開している国立天文台のASTE、名古屋大学のNANTEN2、ヨーロッパのAPEX、カリフォルニア工科大学のCBIなどのベースキャンプがひしめく明日の電波天文学のメッカとも言える村です。僕もすでに3回行きましたし、今後も何度も行くことになるでしょう。

この村の人口はわずかに2,500人。チリでもっとも長い歴史を持つ村の一つとしての景観保護のため、道は舗装されておらず、建物はほとんどすべて土壁で覆われた平屋です。そんな村が、こんなにすばらしいウェブサイトを持っているのです。

そもそもこの村は観光資源を売りにしていて、近くには世界第2の広さを誇るアタカマ塩湖、侵食地形が見事な月の谷、間欠泉 El Tatio や先インカ文明の遺跡など、見るべきものがたくさんあります。つまり、たくさんの人が訪れるウェブサイトをしっかりと整備することによって、より多くの人に実際に村に観光に来てもらって、そうすることで村が繁栄していくわけですね。ウェブサイトは、いわば生命線とも言えるものでしょう。

認知してもらって、重要性を理解してもらうという点では、研究機関のウェブサイトも同じように重要です。他の研究分野よりもマスコミに登場する機会が多い天文学ですが、その機会をしっかりと捉えて自分のウェブサイトに誘導し、そこで間違いのない、そしてリアリティのある情報発信ができるはずです。更新されないページやリンクがたどりにくいページは、どんなにガイドラインに忠実でもバリアフリーとはいえません。欲しい情報にたどり着くまでの障壁が大きすぎます。

研究機関のウェブサイトもどんどん整備されていっていますが、そのことをしっかりと考えて進んでいって欲しいものです。がんばれ天文台。

投稿者 平松正顕 : 00:53 | 科学コミュニケーション

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