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2007年11月22日

双子の危機

イギリスの科学技術予算を司るScience and Technology Facilities Council (STFC)が、ジェミニ望遠鏡への資金協力を取りやめる、ということでイギリスの天文学界は大騒ぎらしいです。

ジェミニ望遠鏡といえば、「双子」の名の通り、ハワイ・マウナケアとチリに8m望遠鏡を設置して、南北両天を観測している施設です。ジェミニはアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどたくさんの国の協力によって運営されているとのことですが、イギリスはこれまでの建設運用資金全体の23%を負担していたとのこと。もともと潤沢な資金で運用されているわけではないでしょうから、イギリスの撤退はインパクトが大きいでしょう。

イギリスも、資金面で協力する見返りに観測時間が割り当てられていたと思うので、お金を出さないということはイギリスに割り当てられる観測時間がなくなってしまうのかもしれません。王立天文学会も「北半球の8mクラス望遠鏡へのアクセスを失う」と突然の決定にショックを受けている様子。天文業界には何の相談もなかったそうですし。

ジェミニが天文学的成果をどれほど挙げているのかよく知らないのですが、突然予算をカットされるというのは大変厳しい決定です。日本でも、すばる望遠鏡と入れ替わりに堂平天文台が閉鎖されたり、ALMAの建設が進む中で野辺山のミリ波干渉計が共同利用を終えたりするという事例はあります。でもこれらは新しく性能の良い装置に移行する、という正確のものですし天文学界も了承しての決定ですので、ジェミニに起きている問題とは違います。しかし日本ではありえないかといえばそうとは限らないわけで。天文学が社会の中でどういう位置を占めて、どれくらいのお金を使ってもよいか、しっかり考えて、議論して、多くの人と合意を形成しておく必要がありそうです。

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その後の展開を2008年1月31日のエントリに追加しました。

投稿者 平松正顕 : 21:52 | hiramatsu log

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コメント

堂平天文台は、移管を受けたときがわ町が、改修や整備を重ね、2005年に見事に復活させました。91センチ反射式望遠鏡も健在です。つい最近も、NHKのニュースで紹介されたばかりです。
http://www.tokigawa.org/hoshitomidori.html

投稿者 コメ太 : 2007年12月4日 11:26

はじめまして。突然のコメント。失礼しました。

投稿者 バーバリー バッグ : 2013年1月17日 01:43

カッコいい!興味をそそりますね(^m^)

投稿者 バーバリー アウトレット : 2013年4月12日 16:11

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