2007年12月30日
Save Astronomy
先のエントリで紹介した、イギリスの funding agency が Gemini望遠鏡への資金協力を取りやめる件、色々と動きがあるようです。といってもお金を出さないという方針は変わっておらず、これを危惧する研究者コミュニティが色々動いている、というところでしょうか。
顛末は Astornomy Blog に詳しいです。ぜんぜんかみ合ってない大臣とのインタビューもあります。どうやら予算カットはジェミニ望遠鏡の400万ポンド(9億円)だけでなく、天文学全体の予算が25%カットされる恐れもあるとのこと。衝撃的です。そして天文学だけでなく加速器を使った素粒子物理にもインパクトがあるようです。建設が検討されている次世代加速器International Linear Collider(国際リニアコライダー)にも、イギリスはお金を出さないと。
一番上の貼ったバナーの通り、Save Astronomy というサイトが立ち上がっています。「予算カットの影響をモロに受ける若い研究者たち」が立ち上げたサイトのようですが、『国会議員にメールを出そう』というページがあったりします。ALMA建設予算承認のための署名を集めた数年前の国立天文台とダブりますが、あちらの方がより直接的に訴えかける手段になっていますね。
イギリスといえばサイエンスカフェ発祥の地であり、エジンバラではサイエンスフェスティバルが大々的に開催されていて、そのほか様々な活動が行われている『科学コミュニケーション先進国』です。そんな国で起きた今回の騒動。イギリスの一般の人たちの間でこの問題がどれくらい意識されているのかはよくわかりませんが、「国民みんなの科学」のありようが問われる、といっても過言ではないかもしれません。もし日本で同じ状況が発生したとき、研究者コミュニティは何ができるのだろう、と考えるとなかなか恐ろしいものがあります。今後も要チェックです。
投稿者 平松正顕 : 23:40 | 科学コミュニケーション
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.tenpla.net/cgi/hlog/tt-cgi/tt_tb.cgi/125