< 2007年1月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >

2007年1月28日

検閲?

「あるある大辞典」の納豆ダイエットデータ偽造から時間がたって、別の回でも同じような偽造があったということがわかってきたようです。字幕や映像を差し替えられてしまっては、研究者は何もコメントすることができなくなります。

NASAの彗星探査機ディープインパクトに関する報道のときにも、専門家のコメントに余計な尾ひれをつけて(その結果、その部分は事実と異なる文章となって)新聞記事が作り上げられたことがありました。これも、今回のものと似た例ですね。すべての番組・記事がそうだとは思いたくないですが、まだまだ同じような事例はあるんだと思います。見る側としても、今回のはよい教訓になりました。有象無象のダイエット関連・健康関連商品のCMに限らず、過信しないことが重要なんでしょう。井戸端会議とかちょっとした雑談とか、その程度のレベルでの「信用」しかないのかもしれません。字幕で出る日本語にウソ書いてても誰もわからないだろうなぁ、とは前から思っていたのですが、本当にそういうことが行われていたのはとても残念です。

科学記者さんと話したことも何度かありますが、記事を研究者に見せることは彼らにとっては「検閲」にあたる、という意識なんだそうです。事実の確認をすること、あるいは研究者自身のコメントをチェックするのになぜ「検閲」になるんでしょうかねぇ。事実より「記者の書きたいストーリー」に重点が置かれていて、事実を伝えることが二の次だからでしょうか。そんな意識でいることは、自分で自分の首を絞めているようなものだと思うんですが・・・。自分の作ったものが多くの人の目に触れるときには、それなりの覚悟とか責任とか感じると思うのですが、新聞記事を書いたりテレビ番組を作ったりする方は仕事を続けるうちにその感覚をなくしてしまうのでしょうかね?

科学報道の現場にいらっしゃる方を呼んで、この問題に関する議論をするサイエンスカフェを開いたら盛り上がるねぇ、と今日高梨くんと話しをしたのですが、どうでしょうかね。早稲田大学の科学技術ジャーナリスト養成講座とか、「市民の科学」を標榜している(と僕には感じられる)北海道大学の科学技術コミュニケーター養成講座CoSTEPの皆さんとか、いかがでしょう?

このブログには「報道にコメント」というカテゴリを作ってあります。一日の訪問者がたかだか30程度の小規模ブログで吠えても声が届く範囲は限られているのですが、また気がついたら書いていきたいと思います。

投稿者 平松正顕 : 23:58 | 報道にコメント

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.tenpla.net/cgi/hlog/tt-cgi/tt_tb.cgi/98

believe blindly

平松さんの日誌にも取り上げられていた、某番組の“納豆がダイエットに効く”説が捏造だったそうですね。もちろん番組制作側が悪いのですが、TV で流れた情報だからといってそのまま鵜呑みにして信じてしまう、そ...

雑感帳・塚田編 : 2007年1月31日 02:25

前々から疑問に思っていたこと…記事を研究者に見せることは「検閲」にあたるのか?

旧聞に属することかも知れませんが,1月に私を含む2名で共同管理しているブログ(研究問題ブログ)に天プラの平松さんがTBをくださっていたのに,なかなか時間がなくて気づかないでいました.すいません.改め...

科学コミュニケーションブログ : 2007年2月25日 13:10

コメント

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ