2007年3月23日
1週間連続サイエンスカフェ SpaceMitaka
3月13日から18日まで、JR三鷹駅の目の前のギャラリー スペースみたか101 をお借りして、1週間連続サイエンスカフェ Space Mitaka を開催しました。日々の詳細は塚田日誌にありますのでそちらをご覧下さい。
サイエンスカフェというイベントはここ数年日本でも各地で盛んに行われるようになってきました。天プラが初めてサイエンスカフェをやったのは2005年北海道大学CoSTEPと共催したサイエンスカフェ札幌の初回でした。その後天プラでも、調布飛行場や大原美術館(岡山県倉敷市)など様々な場でサイエンスカフェに取り組んできました。サイエンスカフェそのもののコンセプトとしては科学の専門家と市民が対話する、というものだと平松は考えています。しかしこれらのイベントは、日時を決めて限定的に開催され、しかも場所によっては事前申し込み制だったりするため、ぶらりと立ち寄って気軽に科学を楽しむというスタイルの実現が困難な場合もありました。(札幌は駅前の書店で開催されていたので、そういう参加の仕方も可能でしたが。) というわけで天プラは、1週間という期間限定ではあっても毎日昼から夜までオープンしておくことで、そのハードルを下げようとしたわけです。
今回は天文学の話だけでなく、化学・物理・生物などいろいろな話題も盛り込んでいます。昨年11月の科学コミュニケーションの祭典『サイエンスアゴラ』でいっしょにサイエンスグッズ・ワークショップを企画した、国立科学博物館の科学コミュニケーター養成講座の卒業生の皆さん(針谷さん、河本さん、小村さん)や、NPO法人サイエンスステーションで活躍する竹沢くんなどをお呼びして、様々な科学の話を楽しむことができました。僕は竹沢くんのトークにご一緒したわけですが、これが面白かったのです。
遺伝情報を担うDNAは、ATGCの4種類の塩基の組み合わせでできているわけですが、化学者がこの4種に代わる物質をいろいろ合成してみても、ATGCほどうまく働く物質は未だに合成できないのだそうです。極めて有効に働く仕組みを自然が作り出した、ということですね。じゃあ地球外生物が遺伝情報をもしDNAと同じような構造で保持しているのなら、やっぱりATGCが使われているんじゃないか、という創造をすることもできます。もちろんDNAとはまったく別の構造で遺伝情報を持っているかも知れませんが。地球上の常識がどこまで宇宙に広げられるのか。そこにはどういう世界が広がっているのか。空の上に広がる世界に思いを馳せる手段は、何も天文学に限られるわけではないのです。こういう「異分野コミュニケーション」ができるのが、サイエンスカフェの醍醐味ですね。
と、中身はとても面白いものになったのですが、いかんせん準備期間がバタバタのうちに過ぎてしまったので、十分な宣伝ができなかったのがちょっと悔やまれます。これまでいただいた名刺を元に独自のプレスリリースも打ったのですが、直前になってしまったためになかなか記事に取り上げていただけるところまでは到達できませんでした。ほとんど毎日通ってくださるような方もいらっしゃって、「科学に触れる」という点に関しては、深みを増すことはできましたが、裾野を広げることが十分にはできなかったのが一番の反省点ですね。他にも色々足りないことが見えてきた今回の企画でしたが、今後の天プラの活動に活かすとともに、同様の企画を考えていらっしゃる皆さんにもうまくフィードバックできればと思います。これに限らず、天プラの様々な企画について、ウェブ上にでもきちんと文章でまとめなくちゃいけないなー、と思う今日この頃です。なかなか時間も取れないんですけどね。
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