2008年10月8日
ノーベル化学賞まで!
いやはや、すごいですね。
The Nobel Prize in Chemistry 2008
そして例によって日本語プレスリリース。物理学賞のときとフォーマットが違いますね。違う人が準備してるんでしょうか。
今回の下村さんたちの成果は緑色蛍光タンパク質の発見と開発だそうです。私はもちろん門外漢ですが、テレビやら雑誌やらで動物の体の一部が緑色に光るというのを見たことがあります。でも日本人の貢献があったとは知りませんでした。
物理学賞の南部さんはアメリカに帰化、化学賞の下村さんは日本国籍のままのようですが海外での研究に対する成果。頭脳流出という声もありますが、お二方が海外に出られたのは40年も前。状況が全然今と違ったはずです。今はどうなのでしょう、その風潮は変わってないのかなぁ。まあ、お前が言うなって感じですが。一応日本には戻りたいと思っているのでここはご容赦のほど。
たぶん出るのと同じくらい優秀な人が入ってくればいいと思うんですが、そういう意味では言語の壁は厚いだろうと思います。科学そのものに国境はないですけど、科学者だって人間なので文化が違うとか食べ物が違うとか言語が違うとか、それはやっぱり無視できません。台湾では漢字が読めるので比較的楽ではありますが、漢字圏以外から台湾に来る場合だと結構大変なはず。僕が雇われている台湾の天文研究所ASIAAは公用語が英語で事務の方までみんな英語が話せます。だからこそ日本カナダベトナムクロアチアギリシャ香港オーストラリアインドスペインフランスと、いろんなところから研究者が来ているわけです。東大の数物連携宇宙研究機構(IPMU)も外国籍研究者率が5割を超えたそうで、そういう場がきちんと活用されればよいのでしょうね。
日本出身者の受賞がクローズアップされていますが、海外から日本に研究に来てノーベル賞クラスの成果を上げる研究者を輩出することも目指していいんじゃないかと思います。ノーベル賞を目指せと言っているわけではありません、念のため。もちろん日本人も負けずに成果を出すべきです。それができてこそ、ほんとうに国境のない科学が実現できているといえるのかもしれないなぁと思う今日この頃です。
投稿者 平松正顕 : 23:56 | hiramatsu log
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コメント
平松先生、こんにちは!
素晴らしいですね!!!
日本人の学者さんが、4人もノーベル賞を受賞なんて!
また、今回も日本語プレスリリースをご紹介下さって、ありがとうございます。
今朝の新聞に、オワンクラゲが、下村先生のご研究の時には海岸いっぱいにいたけれど、その後すぐに、姿を消してしまったとありました。
下村先生が研究しなければ、人類がGFPを手にするチャンスは無かったともありました。
一生懸命、アンテナを張って頑張っている人には、そういうチャンスが訪れるんですね。
平松先生も頑張ってくださいね。
私が主宰している「天文学ファンコミュニティ」の人達に、先生のHPを教えてもよろしいですか?
リンクしたり、記事を平松先生からと引用したりするのは、だめでしょうか?
投稿者 sopuranovoce : 2008年10月9日 17:23
僕もしっかりアンテナ張って頑張っていこうと思います。
コミュニティの皆様にウェブサイトをご紹介いただけるとのこと、ありがとうございます。リンクも記事の引用も問題ありません。よろしくお願いします。
投稿者 平松正顕 : 2008年10月10日 18:58