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2008年12月24日

不況と大学の人材

世界的な不況の嵐が吹き荒れていますが、もちろん台湾でも影響が出ています。株価は下落し企業は人員整理を行い、僕がいる新竹市にある科学工業団地でも、大規模なリストラが行われているそうです。

日本では人員整理によって解雇された契約労働者を自治体が一時的に雇う、という事例があるようですが、台湾では大学もそういう一時雇用を行うそうです。台湾には国家科学委員会(National Science Council, NSC)というのがあって、教育を司る省(教育部)とは別に、研究費を分配したり科学に関する様々な行政を担当する部署です。僕のボスによるとそのNSCが、リストラされた(特に科学技術系の)人たちを研究補助員(Research Assistant)として1年間雇うための特別な競争的資金を準備し、各大学に告知したそうです。アナウンスとしてはこれかな? 内閣に相当する行政院の短期就業促進措置に基づく施策だとのこと。日本では大学がこういう措置をとるという例はあるのでしょうか?

僕のボスは教育用の小さな電波望遠鏡を大学の物理館屋上に作るプロジェクトを持っているのですが、この機会に研究補助員を一人くらい雇いたいと考えているそうです。電気とか機械制御とかの基本的な知識が必要なので誰にでもできる仕事ではないですが、これを機にこのプロジェクトが上手く前進していけばいいなと思います。ポスドク問題なんかで人材供給側としての大学のあり方が問われる昨今ですが、逆に人材の受け皿としての存在価値もあるのだなぁと気づかされる一件でした。いや、今から考えればそれは当然のことなんですけどね。もちろん、研究補助員として雇われている間に新たなスキルを身につけて次のキャリアパスに繋げてもらうこともこの施策の目的だと思うので、この不況の中で大学の役割をしっかり果たす、ということなのでしょうね。

投稿者 平松正顕 : 19:45 | 研究生活@台湾

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