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2008年6月27日

蛋白質・核酸・酵素・天プラ

蛋白質 核酸 酵素 (PNE)という生命科学系の雑誌があります。生物科学業界からは遠いところにいる僕にとっては『すごくストレートな題名だな』というのが第一印象の雑誌だったのですが、ここ何号か『生命科学のコミュニケーション』という連載記事が掲載されています。先日発行された7月号では、『天文学に学ぶ科学コミュニケーション』ということで天プラの活動を紹介しています(主に高梨くん執筆 in discussion with 天プラの一部)。

天プラの活動を文章化しようという考えは前からあったのですが、これまでなかなか実現できていませんでした。過去をまとめるより次の活動を創造(妄想!?)してたほうが楽しい、というのが第一の理由ではありますが、よくある社会科学系の調査のようにアンケートを取って活動の定量的な評価を行う、などということをほとんど行っていないことも一つの原因です。活動に携わっている個人レベルでは確実に得るものがあって次の活動にフィードバックをかけることもできるのですが、この種の感覚的なものはなかなか文章にはしにくいものです。

今回は、『一家に1枚人ゲノムマップ』の加藤和人さん(京大)からのご紹介で執筆を担当することになったわけですが、題名のとおり雑誌は生命科学系なわけで、天プラの活動の紹介がどこまで受け入れられてもらえるか、理解してもらえるかは正直言ってわかりません。Science and Communication ブログでK_Tachibanaさんが『分野が全く結びつかないようにも思ったが』と書かれていますが、その通りです。なんせ冒頭からトイレットペーパーの話ですし。それでも、なるべく読む方が自分の身に引き付けて考えていただけるように、具体的な活動についてではなくて『我々が何を考えて活動しているか』を主題としてまとめています。

文章のサブタイトルは『学生が始めた本格的な科学コミュニケーション活動』ということになっていました。しかし、『科学コミュニケーション』という言葉を知る前から活動をしていた天プラとしては、何が科学コミュニケーションでどこが本格的なのか、あまり意識したことはありません。文章中にも書いてあることですが、『みんなで天文学を楽しむ』ことがターゲットであって、科学コミュニケーション活動でよく使われているサイエンスカフェや地域との協力は、その目的達成のための手段でしかありません。とはいえ、天プラの活動が文章化するに値する活動であると認識していただいていることはうれしいことですので、ぜひどなたか科学コミュニケーション論を専門にする方に天プラの活動を研究していただきたいと思います。

今回の文章化は、天プラで活動している自分たちにとってもいいまとめになりました。天プラがこれまでいろんなところで発表してきた資料は天プラのウェブサイトの「各種資料」で惜しげもなく大公開中ですが、これを見ても考え方の変遷が見て取れるはずです。走りながら考える、というのが天プラスタイルなわけですが、地域協力とか広い意味でのバリアフリーとか、我ながらなかなかいい線いってるんじゃないかと思うことも多々あります。天プラの各サブプロジェクトについてもっと詳細な文章化の計画もあるにはあるので、できれば次の機会に活動の実地に即したノウハウや考え方の紹介などもできればいいな、と思います。

が、なにせ論文執筆が佳境を迎えているのと新しい観測装置のデータ解析を昨日から習い始めたということもあって、なかなか時間がとれませんが。。気長にお待ちくださいませ。

投稿者 平松正顕 : 23:01 | 科学コミュニケーション

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