2008年7月17日
サイエンスカフェ@ボストン
中度颱風KALMAEGIが接近中です。朝から雨が降っていますが、風はまだそれほどでもなく。最接近は明日の朝のようです。
台湾に来て3か月、だいぶ英語でのコミュニケーションにも慣れてきました。相手もネイティブじゃないので多少楽な環境ではあるのかもしれません。とはいえ聞き取り能力もまだまだなので、英語のポッドキャストを聞いています。いくつかiTunesのリストに入れているのですが、そのうちのひとつ、Slacker Astronomyで、ボストンでのサイエンスカフェについて紹介しているエントリーがありました。
ボストンでサイエンスカフェをやっている人のインタビューがメインですが、このポッドキャストの冒頭には、リスナーに向けてサイエンスカフェとは何ぞや?という紹介があります。超要約すると「たくさんの人が集まるところで、『私は科学者です、〜〜を専門にしてます。何か聞きたいことある?(ここは原文のまま)』といって始める、科学の一番カジュアルな方法」とのこと。これだけカジュアルにできるといいんですけどね。
インタビューでは、ボストンの放送局WGBHのBen Wieheさんが自身の開催するサイエンスカフェについて述べています。(余談ですがこの方、以前 WIRED VISIONに出たサイエンスカフェの記事にも登場してます。)彼は自分のアパートの向かいにあるバーでサイエンスカフェをやっているそうですが、
・始まる前にサイエンスカフェと関係ない人が30人ほどが飲んでいる。
・サイエンスカフェのためにやってきた人がもう30人くらい。
・突然テレビに3分間ほどのビデオを流し、最後に「科学者がいます」と案内を出す。
・会話のきっかけとなるトークを5分。以後適宜テーブルを回ってフリーディスカッション。
という形式だそうです(僕の聞き取りが間違ってたらごめんなさい)。「最初のトークについては人それぞれのやり方があるだろうけど、自分は5分と決めてる」とのこと。そしてメインのターゲットは「サイエンスカフェと関係なく飲んでる人たち」。彼のサイエンスカフェは新たな層を開拓して科学に興味がない人に科学を届けるのが目的だそうなので、そう言っているのでしょう。
日本でもサイエンスカフェはたくさん開催されてます。サイエンスカフェ・ポータルとか見るとそりゃあもういっぱいあるわけですが、たいていはそれを目的にして会場に来た人たちが相手だと思います。もちろん関心がある人と科学者が議論したり理解を深めたりというのは重要なのですが、ここで紹介されたような半分ゲリラ的なサイエンスカフェもやってみたいなぁと思うわけです。ゲリラ天体観測天の川急便では天文台の観望会には来ないような人たちに『宇宙との突然の出会い』をお届けしてきたわけですが、サイエンスカフェでもそういうのができると面白いだろうなと思います。面白いと同時に難しい試みでもあるのですが。なので、完全にゲリラ的ではなくBen Wieheさんの場合のように、参加者の半分くらいはサイエンスカフェのために来た人、にしておくのが良いのでしょうね。そうすれば、仮にもとからいた半分の人が全く興味を示さなくても、なんとかなりそうです。もっとも、Benさんは「誰でも何かしらの意見や考えは持ってるし、特別な知識を持ってる人もいる」と話しているので、興味を引き付けるような最初の3分なり5分なりのトークが重要、ということでしょうか。
ポッドキャストの冒頭には、「この手のイベントは誰かに許可を取らなくてはいけないものではない。誰でもできる。もし科学者の知り合いがいたら、あるいは自身が科学者なら、やってみるべき」とも言っています。周到に準備したサイエンスカフェもいいんですが、気楽に開催・参加できるサイエンスカフェももっとあっていいなぁと思うわけです。
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