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2009年2月25日

教科書の表紙を飾るアンテナ

世界天文年2009のページに、教科書や専門書をたくさん出版しているSpringerが天文年に合わせてディスカウント販売するというニュースが出てました。専門書は高いですからね、こういう企画はとてもありがたい。

天文学研究者人口は少ないので、日本語の教科書はほとんどありません。日本語の論文を受け付ける学会誌もありません。日本語だけじゃ読む人が少なすぎるから。昨年は日本天文学会創立100周年だったので、それを記念した教科書シリーズが発行されましたが、これより前のものとなるとかなり古くなってしまっていてなかなか良い日本語の教科書がない期間が続きました。今回刊行されたシリーズも、大学教養課程の教科書には十分ですが、自分の専門分野を勉強しようとするにはやや不足。というわけで、英語の本を読むわけです。しかしこれが高い。

電波天文学の標準的な教科書としては、"Tools of Radio Astronomy"という本があります。「これからずっと電波天文学やってくつもりなら買ってて損はない」と当時の指導教官に言われたので、僕は大学4年の時に買いました。その時買ったのは 3rd Edition。大学院に入ったあと、2,3年下の後輩が買っているをを見た時には 4th Edition になっていて、版を重ねるのが早いなと思っていたのですが、今天文年関連でディスカウントされてるのは 5th Edition。2,3年に1度のペースで改訂されていっています。早い。3rd Edition の表紙はアメリカ・アリゾナ州にあるHeinrich Hertz Submillimeter Telescope、4th Edition は同じくアメリカのグリーンバンク望遠鏡でした。そして第5版の表紙はチリに建設中のALMA。しかも日本が作った4台のパラボラアンテナですねこれは。まだまだALMAは建設中で完全に出来上がるまでにはもう一回くらいこの教科書の改訂がおこなわれるかもしれませんが、すぐそこに迫ったALMA時代に向けて皆さん頑張りましょう、ということでしょうか。

投稿者 平松正顕 : 21:57 | 世界天文年2009

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コメント

天文学の専門書となると、やはり英語版なんですね。
皆さん、当たり前のように英語を使っていらして、うらやましいです。
私は音楽家ですが、やはり専門書はドイツ語と英語で、とても高価でした。
今回のように、専門書をディスカウントするのは、嬉しいですね。

主催している「天文学ファンコミュニティ」では、「ルーリン彗星を見よう」というイベントを開催しています。メンバー235人が、毎日空を見上げています。
述べ30人ほど、観測と写真撮影の報告をしてくれました。私設天文台を持っている人も数名いて、素敵な写真を撮ってくれました。
もちろん、私も双眼鏡を買い換えて、観測大成功!
23日と、今日25日見ることができました。

台湾で、発見された彗星なので、とても盛り上がっていると聞きました。
先生はいかがですか?


投稿者 sopuranovoce : 2009年2月26日 01:17

コメントありがとうございます。

紹介した電波天文学の本、ディスカウント前は79.95ユーロ、約1万円です。専門書はたいていこのくらいの値段になってしまいますね。

天文学ファンコミュニティの方も盛り上がっているようで、いいですね。ルーリン彗星、実はまだ見ていないのです。というのも、少なくとも僕が住んでいる新竹ではずっと天気が悪いので。昼間日が差すことがあっても夕方には曇ってしまって、なかなかチャンスがありません。ぜひ1度くらいは見たいと思っているのですが。

投稿者 平松正顕 : 2009年2月26日 22:34

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