2009年4月4日
望遠鏡中継とこれから
昨日もお知らせした世界の望遠鏡からのリレー生中継、終わりましたね。日本の多くのプロジェクトは昨日の中継開始時に集中していたのですが、アクセスが殺到してたためか生で見るのは難しかったです。その後は対策が施されたのか割とスムーズに中継されてました。関わった世界各地のプロジェクトの皆さん、ヨーロッパ南天天文台本部の皆さん、お疲れさまでした。ホントに面白い企画でした。
すばる望遠鏡も含め、日本から参加したグループの録画映像へのリンクは、日本の天文年ウェブサイトにあります。全録画映像リストは本家のページで。
その中からひとつ、野辺山電波観測所のカッコいいプロモーションビデオをここに紹介しておきましょう。（なぜかふたつに分割されてしまってるので前半だけ。残りは上のリストからどうぞ。）
今回の企画では、各観測所趣向を凝らして観測室や望遠鏡のすぐ隣からの中継が多かったです。いかに天文学者が自分の目で夜空を見ないか、というのもよくわかります。いくつか見た中で一番臨場感があったのは、ヨーロッパの研究機関がチリに作った電波望遠鏡、APEXだったように思います。はい、我らがASTEの最大のライバルです。標高5000mのところに設置された望遠鏡のすぐ横の観測室から生中継していました。生き物のいない高地が見渡す限り広がる中でのライブ中継は、そんなことができる設備とネットワーク回線があるということも含めて、圧巻。さらにこの観測室を出て、酸素濃度がほとんど地上の半分というなかで望遠鏡まで行き息を切らせながら解説してたのも、リアルな高地の過酷さが見て取れました。まわりの風景を見せたり、受信機室の中も解説してたり、楽しませてもらいました。
今年10周年を迎える県立ぐんま天文台からの中継もよかったですね。公開天文台としては今回世界で唯一の参加じゃないでしょうか。台長であり、世界的に有名な天文学者である古在さんも登場していました。ドイツにいるインタビュアーも「今回出演する天文学者の中で一番有名」と若干恐縮していたように見えました。撮れたてホヤホヤのデータが後ろのディスプレイに表示されていて、動いている望遠鏡も映されて、面白かったです。
他にも、ALMAからの中継では、アンテナとそれを載せるためのトランスポーターが出てきたり、個人的には論文を引用したことのあるDr. Knee氏がしゃべっていたりしました。南極点望遠鏡からの中継もありましたね。数日前には氷点下70度を記録したとか。標高5000mとか氷点下70度とか、観測天文学者って実に体力勝負。
中継の画面の横に文字チャットがあったのも面白かったですね。開始当初はアルファベットと漢字とひらがなとハングルが入り乱れていて、いろんな国からのアクセスがあることを如実に示していました。アラビア語？のような文字が出てきたり、アルファベットでもどこの国のものかわからない言葉が出てきたりしてました。中継が不調になるとみんなで嘆き、素晴らしい映像がでるとみんなで歓声を上げ、まさに"one earth, one sky"が感じ取れるチャットでありました。
中継が終わる瞬間も見ていたのですが、そのチャットの中で「あー終わっちゃうのかー」という発言が出た後に、「中継は終わったけど本番はこれからさ！」みたいなことを言っている人がいました。まさにその通り、今日は世界一周観望会と銘打って、世界中で星空を見るイベントが開催されています。この「世界中で宇宙を観ようよ100時間」企画はあさってまで続きますし、世界天文年はあと9カ月あるし、天文年が終わってからもまだまだ天文学で楽しめます。本番はこれからです。
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コメント
こんにちは！
世界の望遠鏡リレー生中継の情報を詳しく教えてくださって、ありがとうございました。
実は、私はこの中継を見ることができませんでした。
ＵＳＴＲＥＡＭ ＴＶに登録し、さて！見ようとしたら、いつまでも画像が見えません・・・何度くり返してもダメでした。
結局、我が家のパソコンのセキュリティが強くて見られないとさっき分かりました。
また、頑張ってみますが・・・
投稿者 sopuranovoce : 2009年4月6日 08:50
sopuranovoceさん、こんにちは。
中継時は混雑していてこちらでもつながりにくかったのですが、セキュリティですか・・・。録画された動画も見ることができませんか？
投稿者 平松正顕 : 2009年4月8日 23:46
