2009年5月21日
ASROC2009、まもなく。
明日から、中華民国天文学会(Astronomical Society of the Republic of China, ASROC)の2009年年会に行ってきます。場所は台湾最南端のリゾート地、墾丁(かんでぃん)、のちょっと外れのあたり。国立海洋生物博物館が会場です。
昨年も書きましたが、日本の天文学会年会に比べてとてもコンパクトな学会です。教育セッションだけ別にありますが、太陽系も星形成も中性子星も遠くの銀河もひとつの会場で発表がなされます。日本だと分野ごとに部屋が分かれて並行して発表が行われるのですが、こちらはひとつ。そして全部英語です。今回僕はポスター発表なので、数時間前に作成を済ませて大学近くの印刷屋さんにプリントアウトをお願いしてきたところです。
今年は世界天文年ということで、大学ではなく博物館での開催です。そしてそこを訪れる人に向けた展示物も準備します。台湾でもいくつかの天文学プロジェクトが進んでいますので、その紹介をするわけです。さすがにこれらの展示物は中国語で書かないといけないので僕はお手伝いできないのですが、野辺山宇宙電波観測所の一般公開で使われていた干渉計観測シミュレーションプログラムをお借りして、こちらでも同じデモをやることになりました。電波干渉計というのは、ぼんやり広がった構造を見るのは不得意で、細かい構造を浮き上がらせることが得意な装置なのです。これを体感してもらうために、カメラで来場者の顔を撮影してその細かい構造だけ浮き立たせるような画像処理を施して画面に表示させる、というものです。さて、こちらの皆さんはどんな反応を見せてくれるでしょうかね。
学会付属のイベントとしては、この展示のほかに土曜日の夜に天体観望会も企画されているようです。題して「南十字星座観星活動」。そういわれれば、台湾南端なら南十字星も見えますね。といっても、十字の一番北の星でも高度10度までしか昇りませんが。でも南は海しかないはずなので、晴れればきっと見えてくれるはずでしょう。楽しみです。
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コメント
墾丁(かんでぃん)。そうそう、海角七号を撮影した場所ですね。
こちらの国際学会ではちょうど新竹から来ている研究者が海洋生物博物館のライブ映像を届けていました
http://eco046.nchc.org.tw/
投稿者 tetsu : 2009年5月22日 13:55
海は堪能されましたか。。。って学会ですね(笑)
ホテルの定員4名という噂を聞いたのですが、一人で1部屋使えましたか?(笑)
投稿者 inami : 2009年5月27日 15:04
tetsuさん、
そうです、海角七号のロケ地です。この映画で有名になったホテルとかもありました。
海のライブ映像もあるのですねぇ。台湾を代表するビーチリゾートで国立公園でもある場所に原発を作るというのもなんとも、、という感じです。海水浴場からは原発がよく見えましたし。
inamiさん
それは何情報ですか 笑。確かにホテルの部屋は学生たちと4人で予約しましたが、一人は急きょ野辺山観測出張が入ったので、結局3人で使いましたよ。
砂浜にはいったけど海には入りませんでした。久しぶりな潮の香りが郷愁を誘います。瀬戸内沿岸出身。
投稿者 平松正顕 : 2009年5月27日 22:06