2009年7月1日
日食も月もいいけど星もね。
7月になりました。星形成関連論文の要旨集"Star Formation Newsletter"6月分も届きました。毎月送られてくるこのニュースレター、一か月に出た星形成分野(観測、理論とも)の論文の要旨が列挙されていて、今回の場合は50本くらいの論文と研究会の案内、ポスドクポジションの募集案内が載ってます。興味のある論文をピックアップするのに重宝します。今回読んでおこうと思った論文はそのうち6本、今月は多いです。「毎晩星を見てる」という一般的イメージとは全く逆の、パソコンのモニタばかり見ている天文学者の研究生活はこのようにして過ぎていきます。
科学関連の記事も多く、RSSリーダに登録して読ませていただいているブログ『若だんなの新宿通信』で『日食もいいけど観月もね』というエントリが上がっていました。asahi.comのトラベルコーナーに載ってる内澤旬子さんの『観月の楽しみ』というコラムの紹介でした。確かに月なら明るい都会の夜でも(きちんと月の出てる時間を選べば)どこでも簡単に楽しむことができます。
晴れてれば時間すら選ばなくていいよ、ということで、我ら天プラが内田さんと同じくasahi.comのトラベルコーナーに持っている連載『星空月報 supported by tenpla』もここでご案内しておきます。4月の連載開始時にはこのブログでもお知らせしましたが、順調に7月までやってきました。このコラムのキーコンセプトは、「天文学に一歩踏み込んだ宇宙の見方を提案してみる」というものです。もちろん星は単に見ているだけできれいだし、望遠鏡で惑星なんか見たら鳥肌が立つほど美しいこともあってそれはそれでいいんですが、少しだけ天文学的な見方をするとまた違う視点から宇宙が楽しめますよ、というのを案内しています。「星々の明るさが違うのは何でだろ?」「星が集まったところとあんまりない所があるのはなぜ?」みたいな、とても基本的(だけどなかなか見過ごしがち)なことを踏み台にして、"これを読むと少しだけ宇宙の見方が変わる"というような文章を目指しています。最初に書いたように天文学者は星空をあまり見ないので星座とか知らない場合がほとんどですが、宇宙の奥深さについては日々実感してるんじゃないかなと思います。僕や僕の周辺では、その奥深さに触れてからもう一度星空を見ると一層楽しい、という考えがあって、この連載はそれを反映したものと言えます。まだまだ駆け出しなので文章に稚拙な個所があるかもしれませんが、多くの方に楽しんでいただければと思います。もしコメントなどありましたら、このブログでもメールでも天プラウェブサイトの掲示板でもどこでもいいので、お寄せください。よろしくお願いします。
投稿者 平松正顕 : 21:34 | 科学コミュニケーション
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コメント
パソコンの前で、研究していらっしゃる様子が目に浮かびます!
将来天文学者も視野に入れているT君にも、電波天文学やX線天文学などのことを話してあげています。
最近の月と惑星達は、本当に美しいですね。
夕方西の空に土星、真夜中に木星、2時間くらい遅れて海王星、金星、火星と夜空を彩ってくれます。
そこに月が絡んで、寝る暇がないほど楽しいですね。
・・・と言っても、私の住んでいるところは滅多に晴れないので、睡眠不足にならずに済んでいます(^o^)
台湾でも、梅雨はひどいですか?
投稿者 sopuranovoce : 2009年7月4日 08:35