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2009年7月24日

大部分日食

日食が終わりました。天候に恵まれないところも多くあったようでしたが、皆さんのところではいかがでしたでしょうか?全然ダメかと思っていたところでも雲間から少し太陽が顔をのぞかせたところもあったようでよかったです。当日までなかなか日本の情報に直接触れる機会がなかったのでどんな状況かわからなかったのですが、国立天文台のウェブページはつながりにくくなってましたし、当日朝のテレビニュースでもいろんなところで日食が取り上げられていて、かなり話題になっているようでしたね。

僕は今回はお休みをとって、沖縄本島中央部分から船で15分の水納島(みんなじま)で日食を見ました。宜野湾に住んでいる友人と東京からやってきた友達と一緒に、浜辺にある本島との高速船乗り場にデジタル一眼レフ+三脚をセットして、日食メガネ、穴のあいたテレホンカードなんかを準備して、第1接触の10分くらい前から観察を始めました。

日食が始まってしばらくすると、船で渡ってくる観光客もその相手をしてるグッズレンタル屋さんたちも、太陽を見上げて始めていました。小さい子供が「欠けてるよー」と言っているのが聞こえてきたりもしました。僕の思っていた以上に日食グラスを持ってる人が多くて驚きました。

三脚に望遠レンズをつけて撮影していたので、それに気づいて話しかけてくださる方もいらっしゃいました。9日間で沖縄いろいろ回っているという親子連れと親しくなっていろいろとお話ししながら観察しました。この方たちも日食グラスをお持ちで、小学校3年生の女の子は、お父さんに時間を聞きながらその時気になったことや太陽の様子なんかを記録していたようでした。自由研究かな。その他15人くらいの方に、日食メガネをお貸しししたりお話ししたりしながら日食を楽しみました。僕は日食画像共有プロジェクトに参加していたので15分ごとに写真を撮りました。写真はその一部です。全般的に薄雲越しではあったのですが、幸いにも全過程を写真に収めることができました。

今回の日食で一番よかったのは、最大食のあたりで空が暗くなり気温が下がるのがわかった、ということです。今回の観測場所での最大食分は0.93くらいでした。日食の食分というのは、太陽の直径のどれくらいの割合が月に隠されるか、という数値です。つまりこの場合、直径の93%が隠されるということですね。隠される面積としてはこのページによれば約92%とのこと。つまり普段の太陽の1割に満たない光しか届かなかったわけですね。友達が持っていた温度計機能付き腕時計での測定によれば、最大食のころは食開始前より3度低かったそうです。明らかに涼しくなって、観測してたところの目の前のビーチで海に入ってる人の数も目に見えて減っていました。空の暗さも、青空が見えているのになんだかちょっと暗いという、ちょっと不自然な暗さでした。また逆に、普段の一割しかない太陽でこんなに明るいのか、太陽って偉大だな、という驚きもありました。明るさや涼しさというのはなかなかライブ中継では感じることができないですし、本当に体感できてよかったと思います。

マスコミでも大きく話題になったこの日食、多くの人の意識を宇宙に向けてくれるいい機会だったと思います。これを機に宇宙に興味を持つようになったという人もいらっしゃることでしょう。今回撮影した写真や得た体験をもとにして、天文学者も天文関連施設関係者もそれ以外の人もそれぞれがいろんなやり方で天文・宇宙を伝えていけるようになればいいな、と思います。日食フィーバーもいいのですが、これをぜひ継続的に活かしていきたいところですね。

投稿者 平松正顕 : 00:09 | 世界天文年2009

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コメント

日食観測旅行、お疲れさまでした。
無事に観測できて良かったですね!
場所を沖縄の水納島になさったのが、よかったと思います。トカラ列島などは晴れの予定でしたが、当日雨が降って観測できませんでしたから。
素晴らしい写真をありがとうございます。
雲一つ無く、とても美しい日食ですね。

天文学ファンクラブのメンバーは、上海や屋久島、種子島、奄美大島などに行ったんですが、ダメだったようです。
かえって、福岡や長野の人達から観測成功の声が上がって来ています。小学校などで、観測会を開いたメンバーは、無事日食を見ることができて、ホッとしています。太平洋上で観測した人達も多く、こちらは晴れ間を探して移動したので、素敵な写真が撮れていました。
他は北海道から九州まで雨・曇りで、私が住んでいる秋田も何にも見えませんでした。
でも、秋田大学で硫黄島や太平洋上の船からの映像を見せてもらい、とても感動しました。
秋田では、参加者20名の所に、同じ数だけのマスコミが来て、取材が長かったです。
こういう日食フィーバーも、天文学に目を向ける一つのきっかけになりますね。

東京在住のメンバー達から、問い合わせがあり、天プラネットや天の川急便のことをお知らせしました。
東京でも、星が見たいそうです。
近いうち、ゲリラ観測会の予定はあるでしょうか?



投稿者 sopuranovoce : 2009年7月24日 13:56

写真、素晴らしいですね!!
93%欠ける所ってどこだろうと思っていましたが、沖縄で観察されたのですね。
沖縄はお天気にも恵まれたようで良かったですね。
南の島での観察、羨ましいです。

私は友人と鹿児島に行きました。
96.3%の食を楽しみにしていましたが、前日からあいにくの雨模様。当日も早朝から窓に打ち付ける音がするほどの雨。。。それでも諦めず雲の動きをにらみながら、市内のビュースポット・城山で雲間を待ちました。

食が始まって40分後ぐらいから奇跡的に雲が薄くなり、時々太陽がのぞくようになったので、およそ20〜30人の観察者とともに「見えた!」だの「あー!雲が。。。」だのと大騒ぎしながら観察しました。
やはり本物を見ると、理屈抜きで感動しますね!
あいにく最大食の直前から再び雨が降り出したので、30分ほどしか見れませんでしたが、それでも本当に来て良かったと思いました。
欠けている太陽やピンホールで映した影、木漏れ日などもなんとか写真に撮ることができたので大満足です♪

今日、録画していたNHKの特番で各地の皆既状況を観て、あらためて感動しました。
最高の観察条件でも悪天候でも、たくさんの人がそれぞれ貴重な体験をしたんだなぁと思ったらなんだかジーンとして。。。
やはり皆既日食は一度は体験したいですね☆
東京の職場でも事前に渡しておいた日食グラスでなんとか雲の切れ間から観察できたようで、同僚から感動のメールをもらい、とても嬉しかったです。
日食を体験した人たちは「自分の居場所」について少しでも考える機会になったと思うので、これを機に天文学に興味を持ってもらえたらいいなと思います。

今回あらためて感じたのは、私達は宇宙の仕組みの中に本当にいるんだなぁということ、お天気ひとつでこんなにも翻弄される小さな存在であるということ、ですかね。
あと、観察は最悪の条件も想定して準備しておくこと、かな(笑)。今回は天気に翻弄され非常に舞い上がってしまい、反省点がてんこ盛りです。
研究者の方のご苦労が少しだけ分かった気がしました。

待ちに待った今年の大イベントが終わってしまい気抜けしそうですが、来週からは社会復帰してまた頑張らねば(汗)。
次は3年後の金環日食ですね♪

投稿者 北千住天文クラブ員 : 2009年7月24日 18:56

sopuranovoceさん、北千住天文クラブ員さん、コメントありがとうございます。

天文イベントは最終的には天気という自然相手になってしまうので、なかなか難しい所ですね。雲間からでもインターネット越しでも、いくらかの感動を共有なされたようで良かったと思います。部分日食を見ていてもし、NHKの皆既中継を見ていても、やはり皆既日食を一度はこの目で見てみたい、と思いますね。2012年には関東一帯で金環日食がありますし、これも楽しみにしておきたいと思います。今回は買えなかったカメラ用の減光フィルタをちゃんと買っておこうと思います。

sopuranovoceさん、ゲリラ観測の予定は今のところないのですが、国立天文台三鷹キャンパスの観望会もありますし、最近では六本木ヒルズの屋上での天体観望会などを天プラでは企画しています。ぜひこの機会に体験してみてください。もちろん、各地にあるプラネタリウムでも観望会をやっているはずですので、実はいろんなところで天体観測を楽しむことができると思いますよ。

投稿者 平松正顕 : 2009年7月28日 21:23

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