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2009年9月5日

最先端研究開発支援プログラム、決まる

補正予算の一環として企画された最先端研究開発支援プログラム、このブログでも当初計画から応募課題が公開された時まで三度話題にしてきましたが、
astroeconomics: 90億円でできること
世界最先端研究支援強化プログラム
最先端研究開発支援プログラム応募課題
ついに中心研究者30名が決まったようです。読売新聞毎日新聞もニュースにしています。

iPS細胞の山中さんやノーベル賞を獲った島津の田中耕一さんなどの名前もありますね。以前のエントリで紹介した天文学関連研究では、東大の数物連携宇宙研究機構の村山さんが筆頭となっている『宇宙の起源と未来を解き明かす−−超広視野イメージングと分光によるダークマター・ダークエネルギーの正体の究明−−』という課題が採択されたようです。おめでとうございます。これによって、すばる望遠鏡に搭載される新しい目(観測装置)が作られ、宇宙を支配する未知の存在についての研究が大きく進んでいくことになるでしょう。

気がかりなのは政権交代ですね。補正予算に積み上げられた各種基金は原則凍結という方針のようですし、民主党で医療や教育政策にも力を入れているらしい鈴木寛さんも、こちらのブログ(ロハス・メディカル)によれば凍結と言っているようです。ただし、この記事によれば「選定をやり直す」とのことなので、完全につぶれることは無いのかもしれません。朝日新聞の記事には『緊急経済対策とはしないことなどを条件に民主党も賛成に回った。』とありますし。民主党の基本方針は、これらの基金のうちで経済対策の効果が薄いものは止める、というものだったと思いますが、この支援プログラムは経済対策じゃないから止める、となるのか、それともそもそも経済対策じゃないから(選考過程の見直しはあるにしても)そのまま進んでいくのか、気になるところです。

それからこの研究費の金額について。5年間で1件平均90億円というのは既存の研究補助金に比べて破格なのでよく話題になっていますが、文科省科学技術政策研究所が発行した科学技術指標2009によれば、2009年の予算に占める科学技術関連費(全省庁合計)は約3兆6千億円。これに対して今回の支援プログラムは1年あたり540億円なので、科学技術関連費のおよそ1.5パーセント。全体からすると大した割合ではない気もしますが、この7年ほどで科学技術関連費がほとんど横ばいであることを考えると1.5%でも増えるのは大きいですね。もっと少額を多数に配分した方が良いのではないかという声もありますが、大きな予算がないと進めるのが難しい研究があることも確かで難しいところです。このプログラムがどう進んでいくのか、どんな成果が出てくるのか、要注目ですね。

投稿者 平松正顕 : 03:12 | 科学政策

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突然のメールにて、失礼いたします。

私はローマ大学トル・ ヴェルガータ校で宇宙物理学の研究をしている マルコ カソリーノと申します。

このたび、イタリア外務省が企画した「日本におけるイタリア2009・秋」の一環として、
「日本&イタリア合同宇宙科学講演会-JISCRISS ジスクリス- 」(http://jiscriss.roma2.infn.it/index.php?lang&eq;jp&itemid&eq;0)
を東京・竹橋の科学技術館 サイエンスホールにて行う事になりました。

つきましては、本ワークショップについて、ぜひ貴ブログにてご紹介いただければと思い、メールを送らせていただいた次第です。

突然のお願いで大変恐縮ですが、ご協力いただけましたら幸いに存じます。

JISCRISS組織委員会
マルコ カソリーノ Marco Casolino
イタリア国立核物理研究所(INFN) & ローマ大学トル・ ヴェルガータ校

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[イベント概要]

●ホームページ
JISCRISS: Japanese - Italian Seminars on Cosmic Rays from the International Space Station
http://jiscriss.roma2.infn.it/index.php?lang&eq;jp&itemid&eq;0


科学する 国際宇宙ステーション

国際宇宙ステーションISS を利用した宇宙探索技術や、宇宙環境における研究 などについて、あなたはどれくらい知っていますか?
日本とイタリアの科学者が直接皆様に語る宇宙科学講演会を行います。
日程: 2009年9月19日(土)日本語⇔英語 同時通訳 付き
場所: 科学技術館(東京) 〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2-1
加費: 無料
中・高・大学生や一般の方もお気軽にご参加下さい。こちらより事前登録をお願いします

特別講議 2009年9月19日(土):
ピエロ・ガレオッティ (トリノ大学教授  イタリア国立核物理学研究所)
ガリレオ・ガリレイの遺産
以下の方々からの講義も予定しています。
プログラム詳細は、こちらからご覧いただけます。
有馬朗人(日本科学技術振興財団会長、科学技術館館長)、エンリコ・フラミニ(イタリア宇宙機関)、 JAXA、村木綏(甲南大学教授)、浅島誠 (東京大学教授)、 リナルド・サントニコ( ローマ大学トル・ヴェルガータ校)
協賛:科学技術振興財団、イタリア外務省(MAE)、在日イタリア大使館、理化学研究所、 イタリア宇宙機関、(ASI)、イタリア国立核物理研究所(INFN)、トリノ大学、 ローマ大学トル・ヴェルガータ校、イタリア国立天体物理学研究所(INAF)

投稿者 Marco Casolino : 2009年9月6日 19:19

ついて、あなたはどれくらい知っていますか?

投稿者 tiffany : 2010年7月15日 18:38

突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!

投稿者 グッチ ボストンバッグ : 2012年11月10日 09:20

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