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2010年3月1日

チリ地震

チリでの大地震から2日が過ぎました。
地震の第一報はtwitter経由で届いたのですが、発生当時の見積もりであったM8.3という大きさに驚きつつも震源が首都サンティアゴから300km以上離れているということで、もともと地震国でもあるし、あの街での被害はあまりないのかと思っていました。が、停電していたりビルが倒壊していたりという情報が入ってくるにつれ、現地にいる多くの知人 -僕の大学院時代の指導教官も今サンティアゴ在住ですし、研究室の先輩たちも現地に赴任されています- の安否が気になりました。幸いにもALMA関連で現地にいらっしゃる皆さん(日本人以外にもプロジェクトに関わるたくさんの人たち)が無事であったと聞いて、ひとまずほっとしたところです。とはいえ、多くの犠牲者が出ていますし空港ターミナルビルも壊れてしまっているとのことで、復興には時間がかかるに違いありません。

チリは、僕にとってはこれまでにもとてもお世話になったし、これからもお世話になるであろう国です。プロフィール写真に使っている電波望遠鏡ASTEはチリにあるものですので、大学院時代にこれを使った観測をするために5回現地に渡航しました。総滞在期間は4カ月くらいになるでしょうか。この間、何度か地震に遭遇し、地震国であることを思い知らされました。そして、現在ASTEの近くにまさに建設中、来年から観測を開始しようという段階にあるALMAに今後も関わっていきますので、これからも何度も渡航することになると思います。

この望遠鏡が置いてある地域、そしてそれ以外にも各国の望遠鏡が設置されている地域は首都サンティアゴよりもかなり北にあるので(ASTEの場合はサンティアゴから飛行機で北に2時間ほど飛んだ街から東へ車で2時間。)、今回の地震による直接的な被害は一時的な停電で済んだようです。自家発電に切り替えてその日の夜には観測に戻ったというラスカンパナス天文台のマゼラン望遠鏡の力強さにも感銘を受けました。とはいってもALMAの本部(Joint ALMA Observatory)やヨーロッパ南天天文台の主要なオフィスがサンティアゴにありますし、地震直後はチリの天文台のウェブサイトにも軒並みつながらなくなったこともあって、無事という情報が届くまでは本当に不安でした。

サンティアゴの街には国内線から国際線への乗り換えの待ち時間の間しか出たことがないので、あまり詳しく街の様子を知っているわけではないのですが、それでも石造りのどっしりとした歴史的な建物が多かったのが印象に残っています。その街が大きな被害を受けているというのを映像で見て、大変心が痛みます。そしてより被害の大きかった震源近くの街の様子にも。現地の少しでも早い復興を心から願っています。

投稿者 平松正顕 : 22:47 | 研究生活@台湾

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