2006年5月31日

look back on May

先月までに比べ、確実に頻繁にブログを更新しました。
31 日中、20 日!
3 分の 2 も書けていれば、上出来ですよね、うん。

6 月もしっかり書いていきますので、応援(?)よろしくです☆

投稿者 KEN : 23:44 | - | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年5月30日

KISO Observatory

昨日の夕方から、観測のために東京大学木曽観測所に来ています。
昼夜逆転&携帯電波の通じない一週間です(笑)

今回は自分の観測というよりも、先生の補助と 4 年生の卒研の指導ですね。

昨晩はあいにくの天気でしたが、今夜は果たして・・・?
なんかさっきから、青空+通り雨ってのを繰り返してる気がしますが・・・。

金曜日の夕方には戻ります。

投稿者 KEN : 15:40 | 2007年度以前の記事 | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年5月29日

pieces of star

天文クッキーみたいな「天文お菓子」の話題が、
天プラの一部で盛り上がっています。
そこで、こんなお菓子のご紹介。

星夜糖と名づけられたこのお菓子は、こんぺいとう。
西はりま天文台で売られています。
僕はこんぺいとうが好きなので、このお菓子も気に入っているのですが、
見た目はただのこんぺいとう。
でも、それぞれの色に対応した星の名前がついていて、その星の簡単な解説もついているのです。

フォトアルバム

写真は、ソーダ味で “スピカ”。おとめ座の一等星ですね。
言ってしまえばただのこんぺいとうですが、こんな遊び心がほしいものです。

そして、天プラで作るのであれば、もう少し解説に一工夫。
フォトアルバムを見るとわかるように、星の名前の由来や神話的なお話はのっていますが、
その星が天文学的にどんな星かは書いてありません。
スペクトル型やトピックスも書いたりして、
「スピカは温度が高い星。だから、青白く見えるのです。」
とかしたいものです。

あとは、こんぺいとう自体の大きさを変えたりとか。
いちご味の赤いこんぺいとう、ベテルギウス(やアンタレス)は、赤色巨星だから大きめに。
「星は年をとると赤くふくらみ大きくなるのです。」

g (グラム)単位で売ると、個数が少なくなっちゃいますがね(笑)
まるで IMF(※1)?(笑)


※1 IMF(Initial Mass Function)
 恒星の初期質量関数、
 すなわち、銀河のなかでどれくらいの重さの星がどのくらい誕生しているのかを表します。
 宇宙には軽い星ほどたくさん存在するのです。
 詳しくは、天プラ「あすとろかるた」、「ほ」の句のページへ(笑)

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2006年5月28日

Y A C

YAC ってのは、日本宇宙少年団のこと。
日本各地に分団があって、いろいろな活動をしているのですが、
今日はその三鷹分団(サイエンスキッズみたか)で講師をしてきました。

テーマは太陽系、その大きさや広さを感じてもらおうというもので、
以前からたびたび登場してきた「太陽の直径が 1m だったら?」模型のデビュー戦です。
 #本当は 5 月 7 日のあおぞら実験室がデビューになるはずだったのですが。。。

今回はあおぞら実験室と違って屋内でテーブルもあるので、
子どもたちに青い画用紙を配って、フェルト太陽を机の上に広げながら、
「太陽がこの大きさのとき、地球はどのくらいの大きさになると思う?」と聞いて、
地球を作ってもらいました。

すると・・・

意外にも子どもたちは小さい地球を作りました。小さすぎる子もいたほど。
逆に大人のほうが(大人の方にも 1 名、作ってもらいました)、大きい地球を作ってました。
木星も同様にやってみると、まぁまぁ、それなりの大きさ。

それでも、大きさ比べはメチャクチャ(笑)
大きい順に並べてもらったのですが、
どの子どもたちも、土星はかなり小さい方に、火星はかなり大きい方に位置してました。
火星が地球の半分しかないのにはショックだったみたい(笑)

大きさに比べて距離はやっぱり難しいですね。
それでも子どもたちの方が、太陽は遠い、ということを認識しているみたい。
なかなか侮れないですな。


しかし、
「すい・きん・ち・か・もく・どっ・てん・かい・めい」は、
今はあまり浸透してないのでしょうか。
順番を知らない子どもたち多数。大人も多数。

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2006年5月27日

our family

ついに完成しました。

何がって?
以前にも「Hands on the Earth」や「felting sun」で紹介した、
「太陽の直径が1mだったら?」模型ですよ。

フォトアルバム

ようやく 9 惑星全部がそろったわけです。
今日の国立天文台の観望会でもお披露目してきました。
(このときはまだ土星が未完)
自分はその場にいなかったので、お客さんの反応は分からないですが・・・。

ちょっとずつ解説すると・・・

○水星
直径は約 3mm。
ちっちゃい上に目立たない色なので、なくすと大変。
今日の観望会でも一時、紛失の危機に(笑)

いや、お騒がせしました。
見つけてくださった K 越さん、ありがとうございました。

○金星
ちょっと小さくなっちゃった・・・。
本当は直径約 9mm。
色も適当なのがなかったので、とりあえずイメージ(?)で黄色に。
反射率も高いし(笑)

○地球
ご存じ、地球。
Hands on the Earth」参照。

○火星
直径約 5mm。
もうちょっと落ち着いた色がよかったんだけど・・・なかなかないものです。
ちゃんと極冠も作りましたよ。修正液で(笑)

○木星
直径約 10cm。
発布スチロール球に、星の子館さんの作られた展開図を貼ったもの。
うまく貼れないものです。。。もっときれいに作りたいなぁ。

○土星
直径約 8cm。
木星と同じく、発泡スチロール球に・・・(以下略)

○天王星
これも少し小さくなっちゃいました。
本当は海王星より大きいんですけどね。
直径約 3.6cm。

○海王星
直径約 3.5cm。
大暗斑と模様は油性マジックで、雲は修正液で描出。
・・・下手。
書かない方がよかった??

○冥王星
水星以上に小さい強者。
直径約 1.7mm。
なくさないようにするのは至難の業ですよ。
ちなみに、月もこんなサイズになります。


どうでしょう。できばえは。

明日は YAC の活動でこれを使うのですが、
いずれ天プラの活動にも登場させましょう。
さしずめ、まずはプロペラ観望会かな? >I 見さん、I 田さん

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2006年5月23日

felting Sun

以前、Hands on the Earth で紹介しましたが、
実験教室で惑星の大きさを実感してもらおうと考えています。
で、あのときの地球は、
「太陽の直径が 1m のスケール」に対応していると書きました。
太陽は何で作るかお楽しみに☆ということでしたが、
ついにお披露目です(笑)

写真は、110cm 幅のフェルト。
ユザワヤで 1m の長さを買ってきました。
これで太陽を作るのです。
本当は球体にしたかったのですが、うまい方法が見つからず、とりあえず、平面で。
まぁ、平面もほしいですし。

フェルトにした理由は、
・作るのが楽。
 →フェルトは不織布と言われるように、織物ではありません。だから、どこをどう切ってもほつれない。
・けっこう丈夫。
 →子どもが乗っかっても破れませんし、シワにもなりません。
・安い。
 →意外に安かったです。まぁ、僕は布には詳しくないので、相場はわかりませんが。
ってとこですね。

もちろん、問題点もあって、
・折れない。
 →折り目がついてしまいます。丸めるしかないですね。
・かさばる。
 →厚いですから、かさばります。
ってかんじ。
まぁ、持ち運びは、学会にポスター持っていく用の筒を使えばいいかなと思ってます。

さぁ、どんな太陽になったのか、フォトアルバムをご覧ください。

フォトアルバム

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2006年5月22日

stocks in a tailspin with comet?

今日、天文台でのゼミが終わって一息ついていると、職員の方が
これについて、某 TV 局が取材したいそうで・・・」
と W 助教授のところに来た…。

記事を見せてもらうと・・・
「日経平均が1万6000円割れ、海外勢手じまい急ぐ」
の見出しが。

なんで、これの取材が天文台、そして W 先生へ??
と思って、よ〜く記事を見てみると・・・

『25日に大西洋にすい星が墜落するとの予言を海外勢が気にしたとの見方もあるが、…』



………。


どうやら、地球に彗星がぶつからないことを説明してほしい、ということだそうです。

…まさか、真に受けてるのか?
記事にも
『ベア・スターンズ証券・株式営業部長のXXXX氏は、……それはあまり関係ないだろう』
と書いてあるのに?

この、25 日に地球に彗星がぶつかるというのは、よくわからないフランス人が言っているそうで、
以前にもどこかのブログで見た記憶がありますが、はっきりいってよくわからないです。
聖書とか、ノストラダムスとかでてくるし。

とりあえず、収録の途中で帰ってきてしまったので、いつ放送とかわからないのですが・・・。
こういう情報にだまされないよう、もっと科学的な見方ができる人を育てる、
そんな社会であってほしいと思います。

 #しかし、天文台に来たって、確実にぶつからないとは言えないだろうに・・・。
 #結構、破片バラバラになってるし。
 #あっ、でも、逆に W 先生が「ぶつかる」って言えば、ぶつからないかも(笑)

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2006年5月21日

meeting, meeting, and meeting …

昨日は、ミーティング三昧な一日でした。

まずは、現在企画中のプロペラ観望会のミーティング。
今回のコンセプトは、「若者が運営する」。
ということで、I 見さんを中心に、学部生が運営を取り仕切ってます。
 #自分が院生になってしまったことを実感。もう若くないですね(苦笑)

今まで天プラの活動になかなか参加できなかった人や初めての人もうまく巻き込んで、さすがです。
午後からの打ち合わせの準備もできてないし、あまり朽ち出すのもよくないなと思い、内職しながらの参加(こら)。

いろいろアイデアや問題点がでてきて、なかなか面白かったです(人ごと)。
自分はとあるコーナーのサブだそうで、まぁ、出しゃばりすぎないようにサポートしていきましょう。

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つづいて、君天の第 1 回打ち合わせ。

もうスタッフとして参加するのも 5 回目か〜。
いままでもいろいろな高校生たちと出会ってきましたが、今年はどうなるか、楽しみです。
いろいろこっちも刺激を受けますからね、高校生たちから。

相も変わらず、今年も観測サポートスタッフです。
なにせ、三鷹の 50cm 望遠鏡を使える人が少ないですから。。。
しかも今年は F さんがいないという。。。
後継を育てなければいけませんねぇ。

・・・がんばります。

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国立天文台定例観望会のスタッフ反省会でした。
今年度から学生チーフを仰せつかっているので、準備に大わらわでしたよ。
当日の開始5 分前まで資料の印刷してましたから(苦笑)

観望会スタッフの方も、いろいろ課題があったりして大変です。
それに加えて今年度からは、観望会で使っていた建物がアスベスト除去+α の工事で立ち入り禁止。
観望会は場所を変えてやらざるをえないのです。
その対策打ち合わせました。
実際にやってみないとわからないことが多いですが・・・がんばりましょう、スタッフの皆さん。

打ち合わせのあとは、納会=飲み会です。
前任の平松さんへ、お疲れさまということでプレゼントを贈呈。
甚平です。ぜひ、着てください(笑)

ちょっと寂しい飲み会でしたが、無事終了。
A 見さんに車で送っていただき、ちょっと込み入った話をしながら帰途へ。

なんか妙に疲れた。。。
 #そんなこんなで、今日起きたのは昼過ぎ(爆)

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2006年5月17日

package

今日、とあるところから頼まれて、にキャンドルシェードを送ったんですが・・・

なんとピッタリなダンボール!!!

しかも、家に転がってた!

もう、ある意味感動でした。

一応、割れ物扱いで送ったので、無事に届くでしょう。
明日には届くそうです。
 #どこに届けたかは、いずれ明らかにします(笑)

ちなみに、これらのキャンドルシェードのうち、
まん中の木星は自作したもの。
左端の火星と右端のプレアデス星団は、昨年のプロペラ観望会用に I 見さんと T 上さんが作ったもの。
昨日(っていうか今日!?)、I 見さんから受け取ってきました。
わざわざ深夜に呼び出してしまって済まなかったですね m(_ _)m

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2006年5月16日

Futabasaurus suzukii

今日は天文とは全然関係ない話ですが、閑話休題ってことで・・・

フタバスズキリュウが、発見から 38 年たって新種であることが判明したそうですね。

・アサヒドットコム
 http://www.asahi.com/national/update/0515/TKY200605150327.html?ref=rss
・yahoo!ニュース
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060515-00000178-kyodo-soci

フタバスズキリュウは、1968 年に福島県いわき市で、当時高校生だった鈴木直さんによって発見されました。
日本国内で発見された初めての首長竜(※1)ということで、話題になり、
日本で大型爬虫類が発見されることはないという定説を覆したのです。

久しぶりに聞きました。「フタバスズキリュウ」の名を。
僕は小学生時代、天文少年ではなく、むしろ恐竜少年だったので、
このフタバスズキリュウは、それはもう、憧れでした。
化石の発掘などしたこともないのに、高校生になればああいう発見ができるんだ!と思い込んでましたから(笑)

今は、天文の世界に進んで、趣味でしか化石と向かい合っていませんが、
天文も化石も、「今」を見ることはできない、という共通点を持っています。
逆に言えば、「過去」に触れることができる学問なのです。
望遠鏡で遠くを見る、すなわちそれは、宇宙の過去を見ることです。
地層を調べて発掘し化石を掘り出す、これも地球の過去を見ることです。

かと言って、過去について知ることができれば満足なわけではありません。
過去を知ることは、現在を知ることなのです。

最近は、専門の天文ばかりで、ちょっと古生物学を始め地質学や鉱物学などから離れてしまっていましたが、
ニュースを聞いて、またやってみようかな、と思ってみたり。

※1 首長竜
 恐竜ではありません。爬虫綱双弓亜目鰭竜類に分類される別のグループです。
 恐竜よりも、現生のトカゲやヘビに近いグループです。
 主にプリオサウルス、プレシオサウルス、クリプトクレイドゥスの 3 つの仲間に分けられます。
 その名のとおり首が長く(一部、短い種もある)、魚食性です。

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2006年5月15日

Whose is comet?

今日は、日本地球惑星科学関連学会合同大会(長っ!)に参加してきました。
 #今年から院生になったから有料ですよ…シクシク。

午前中は授業のアシスタントもあったので、午後からの参加。
まず聞くのは、当然 Deep Impact Session 「我々はディープインパクトから何を学んだか?」。
すばるや Keck での観測結果、解析結果の発表もありましたが、
面白かったのは、最後の方、電通大の柳沢さんと宇宙研の矢野さんの発表。
ディープインパクトの社会的影響について。
議論になったのは、彗星にインパクターなんかぶつけてよかったのか?ということ。

ここで今更ながらディープインパクトについて解説すると、
Tempel 1 という彗星に、インパクター(衝突体)をぶつけて、噴き出した中の物質を見ようというもの。
つまり、彗星という一個の天体を破壊したわけです。

彗星、いや、天体は誰のものなのでしょう?
さらにいえば、宇宙は誰のもの?
アメリカ人は、月に行って足跡を残し、星条旗を立ててきました。
しかし、月はアメリカのものではありませんし、アメリカも自国のものだとは言ってません。
それに、月に行って足跡を残したからといって、何か大きな影響がでるわけではないでしょう。
しかし、ディープインパクトは破壊です。
形が変わります。
もしかしたら、それがきっかけで彗星自体が壊れてなくなってしまってたかもしれない。

決して、ディープインパクトのような探査に反対なわけではありません。
問題はやり方です。
今回は、アメリカが、自国の独立記念日に合わせて、宇宙の打ち上げ花火よろしくやってしまった。
加えて一部のマスコミも、科学的な意義よりもその面を強調した。
しかも、予備調査なしでいきなりです。
これらがいけなかったのではないかというお二人の話でした。

これは、なにもディープインパクトに限ったことではありません。

火星やタイタンへの着陸、その惑星の環境を地球のもので汚染してしまっているわけです。
探査機に地球の細菌がくっついて運ばれてしまったら?
火星やタイタンに生命がいて、それらの影響を受けてしまったら?
これはもう大変ですよ。
探査機を送るというだけでも、よくよく考えなければなりません。

宇宙法という法律があります。
そこには、宇宙はどこの国も領有権を主張してはならない、とあります。
それはいいとして、この法律が作られたこと自体、なにか違和感を感じます。
なにか、宇宙は人類共通の財産とか言ってる感じがするんですね。
でも、ちょっと待ってください。
宇宙は人類のものでしょうか?
決して違いますね。
今後、月面基地計画や月面資源採掘計画などが持ち上がったとき、
しっかりとこういうことを議論してほしいと思います。
月は地球の衛星です。しかし、月は地球のものではありません。ましてや人間のものでは。
 #地球も同様ですね。
 #人間は地球を我がものであるかのように、開発し、資源を消費していますけど、地球は人類のものではありませんから。

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2006年5月14日

Asahiyama

先ほど(?)まで、フジテレビ土曜プレミアム特別企画・土曜スペシャル
『奇跡の動物園 〜旭山動物園物語〜』を見ていました。

旭山動物園、という名前は皆さんも聞いたことがあるかもしれません。
日本最北の動物園で、来園者数も少なく廃園の危機に瀕していたにも関わらず、
飼育係たちのアイデアで、上野動物園の来園者数を抜いて、日本一になった動物園です。

その旭山動物園の苦難と再生の物語をドラマ化したわけですが、
久しぶりにテレビに見入ってしまいました。

今まで、旭山動物園という名前は知っていても、どんな動物園なのか、まったくもって知りませんでした(苦笑)
今度、北海道に行ったときはぜひ行ってみたいですね。


さて、ここからが本題(笑)

ドラマの冒頭で、山口智充演じる飼育係兼獣医、坂内(主人公)の台詞に、
「なんで動物を檻の中に閉じこめるんですか!」
というのがあります。

これは、動物園の永遠の課題ではないでしょうか。

僕は、博物館学芸員の資格を取りましたから、当然、博物館学の授業で動物園についても触れました。
「命を見せる博物館」
これが動物園です。
「生きている」生命を展示する博物館は、動物園・水族館・植物園とありますが、
では、いったい、「何」を見せるのか?

「そんなの、動物に決まってるじゃない。」と言われるかもしれませんが、
もし、動物の「姿形」だけなら、剥製でいいはずです。
実際、国立科学博物館(東京)神奈川県立生命の星・地球博物館(神奈川)には、
たくさんの動物の剥製標本が展示してあり、その姿は圧巻です。

それではなぜ動物園が必要なのか?
それは「生きている」動物を見せるため、ですね。
しかも、動物それぞれの生態・行動を見せるためです。
いわゆる、「野生の姿」というやつです。

では、動物園にいる動物は「野生」でしょうか?

ドラマ中にも描かれていますが、
まったく動かず、寝てばっかりいる動物たち。
ぼーっとして、まるで元気がない動物たち。
まるで徹夜観測あけの僕のようですが(笑)、こんなのを見ていたのでは、動物園に来ても面白くありません。
動物園には「動いている」動物を見に来るのですから。

この「動いていない」には 2 種類あります。
1 つは、ライオンやチーターなどのネコ科の動物たち。
彼らは、野生でも寝てばっかりです。
基本的には狩猟をするとき以外は(特に雄は)、ダレダレです。
でも、「それが本来の姿なんですよ」と来園者に説明するだけでは、お客さんは満足しません。
ただ寝ているだけの姿でも、「見せ方」を工夫する必要があります。

もう 1 つは、狭い、環境の異なる空間に閉じこめられているために、退屈(という表現が正しいかはわかりませんが)してしまうケース。
これが、坂内が口にした言葉に当たりますね。
そりゃ、そうでしょう。
サバンナやジャングルに檻はありませんから。
しかも、餌は定時になればでてくる。
動物も学習します。
餌をとる必要がないと知れば、動きません。
人間と異なり、動物の多くは、一日の大半を餌をとるために使うのですから。
加えて、自由に動き回ることができない。

これらを解決するにはどうすればいいか?
これもドラマ中にでてきますが、動物園における展示を考える上でに大切なのは
「見る人(来園者)の目線」
「動物たちの目線」
です。

「見る人の目線」は博物館一般に言えることなので、ここでは詳しく書きませんが、
これで、最初のケースは解決するでしょう。
動物園に特殊なのは、展示物が生きている、「動物たちの目線」が必要なことです。

「動物たちの目線」に立つためには、動物たちについてよく知らなければなりません。
本来は、どのような生活リズムを送っているのか?
行動範囲は?
餌の量は?
柵の高さ一つとっても、ストレスを感じる動物はいます。
狭い檻の中にいて動かなければ、運動不足にもなります。

今までの動物園は、どの動物に対しても、一様な檻の中に入れ、来園者にはただ外側から見せていた、こういう動物園が多かったのではないでしょうか?
これでは、動物の目線にも立っていませんし、見る人の目線にも立ってません。
ここ十数年で、見る人の目線にたった動物園は増えてきました。
しかし、動物の目線にたった動物園は、まだまだ少ないのではないでしょうか?
動物の目線に立つとはどういうことか、そしてその大切さを教えてくれたのが、
今回のドラマであり、旭山動物園なのだと感じました。

実際はどうなのか、いずれ現地を見学して確かめてみたいと思います。

 #そもそも、生命を扱う動物園は必要なのか?その根本的議論は、今回はなしです。
 #動物園は必要、という前提で書きました。

 #っていうか、こんなに長々と書くとは・・・(^^;
 #日付変わっちゃったし(苦笑)

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2006年5月12日

Step by Step

今日は国立天文台定例観望会のあと、サイエンスカフェ倉敷の反省会。
もちろん、倉敷から帰ってきてすぐにも反省会はしたんですけど、
当日行けなかった仕掛け人、高梨さん、平松さんも交えて反省会が必要だろうということで、集まったわけです。
あと、次に向けてってのもありますね。
実は、もう倉敷の次の企画、流行の言葉(?)で言えば「ポスト倉敷」が既に動き出しています。
が、詳細はひ・み・つです。

というわけで、倉敷科学センターの三島さんが送ってくださった、
当日の様子を録画した DVD 見ながら、いろいろ意見を出していきました。
そして、その後、ポスト倉敷についてのアイデア出し。

しかし、なんと言ってもサイエンスカフェには、決まった「形」はないものでしょう。
「サイエンスカフェかくあるべし」なんてものはない。
だって、気軽に科学についておしゃべるできるような場を提供するのが、サイエンスカフェの目的のはず。
気軽なおしゃべりに「形」があったらたまりません。

天プラでも、CoStep の皆さんと札幌の紀伊国屋書店で開催したり、
地元三鷹のお母さん方を対象に行ったり、今回の倉敷だったり、
様々な場所で、様々な形で、サイエンスカフェを行ってきました。
こうして試行錯誤を続けてはいますが、
「天プラが行うサイエンスカフェはこういうものだ!」というものを作るつもりはない、
と僕は思っています。
ただ、こうしてステップを踏んでいくことで、新しいことに挑戦し、新しいやり方を知る、
それでいいと思っています。

形がないのがサイエンスカフェのカタチです。きっと。

 #・・・今日は帰れるとおもったのにな〜。
   ・・・おなかすいた。。。

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2006年5月12日

Nearest

今日はシュヴァスマン・ヴァハマン第 3 彗星が地球に最接近する日ですね。
B 核がまたまたバーストしたり、なかなか目が離せない状況なので、
今は、悪天候の合間の奇跡的な晴れ間を縫って観測中です。
 #とはいっても、全然すっきり晴れてないんですけどね (- -;

もちろん、狙うは B 核!
S/N (※1)が悪いものの、なんとか写ってはいました。
何よりも驚いたのが、彗星が速い!!
45 秒しか露出していないのに、あんなに星が流れる(※2)なんて!
さすが、近いだけありますね。

もちろん、彗星自身が速くなってるわけではありません。
 #まぁ、厳密にいえば太陽に近くなっているので速くなってはいますが。
地球に近いから、見かけの速度(対地速度)が大きくなってるのです。

すっごく淡くですが、B 核の分裂したらしき破片も見えた気がします。
無事、一大ドキュメントに加われたかな?
今後も楽しみです。



あっ、曇った・・・。


・・・・・・。

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2006年5月11日

SMART Board

昨日、三鷹市立第四小学校SMART Board の研修会へいってきました。

この SMART Board は、同じく三鷹四小で活動されている、「どこ竹リーダー会」の皆さんが、
教室の運営のコンクールで文部科学大臣賞を頂き、その副賞として頂いたものだそうです。
それを、会の発祥の地である三鷹四小に寄付されるということで、
私たち天プラも、三鷹四小で活動する際に使わせていただけるということになり、
研修会に参加してきたわけです。

SMART Board というのは、いわゆる電子黒板。
ホワイトボードのような機械なのですが、パソコンとプロジェクターに接続され、
ホワイトボード上に映った PC 画面をクリックしたりすることができ、文字なども描けます。
もちろん、描いたものは PC に保存することが可能です。
ほかにもいろいろ便利な機能があるのですが、文章で説明するのは難しいので(笑)
今度ぜひ、本物を見てみてください。

SMART Board は大学の情報系の授業のアシスタントをしたときに使ったことがあるのですが、
なんと三鷹四小に届いたものと同型!
しかも、うちの大学で担当していた先生の知り合いの方が来ていらっしゃっていて、
世界の狭さを感じました(笑)

さて、その SMART Board ですが、天プラ主催のアストロクラブでも、存分に活用させてもらおうと思います。
例えば、星図を映して、子どもたちに自由に星座を作ってもらうことも可能です。
ほかにもいろいろ使い道があるでしょう。
Celestia のようなシュミレーションソフトも画面上で操作できますし。

これからが楽しみです。

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2006年5月7日

constellation PPT

今日のあおぞら実験室は雨で中止となりました。
残念・・・「天文」ネタは来月に持ち越しなので、来月は好天を祈っててください。

さて、というわけで今日はあおぞらの打ち合わせをしたあと、
今までにも何度か登場してきた「 星座 ppt 」を作っていました。
ステラナビゲーターの画像を使用して、MS-PowerPoint のオートシェイプ機能で書いたものです。

まだまだ 88 星座にはほど遠いですが、主要な星座はほとんどあると思うので、
もし機会があれば使ってみてください。
これを使った天文グッズのアイデアも募集します☆

「 星座 ppt 」のダウンロードはこちら

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2006年5月6日

constellation box

明日のあおぞら実験室で、子どもたちに作ってもらう「星座ボックス」。
横にある穴から明るい方に向かって覗くと・・・
星座が見えるというわけです(写真参照)。
すごく簡易的なプラネタリウムってとこですか?

作り方はいたって簡単。

まず箱ですが、7.5cm × 5.5cm × 9cm の直方体。
工作用紙がオススメです。のりしろも忘れずに(展開図は写真参照)

そして、7.5cm × 5.5cm の面に、星座の形に星を打っていきます。
これには 塚田特製 「 星座 ppt 」 を配布資料モードで印刷したものがいいでしょう。

あとは組み立てれば OK。
接着はノリでもいいですが、子どもたちには両面テープが使いやすいと思います。

ぜひ、いろんな星座で試してみてください☆

フォトアルバム

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2006年5月5日

Observation -73P/SW3-

本日もシュヴァスマン・ヴァハマン第 3 彗星の観測中。
3 晩目ですね。さすがに体力的にもつらくなってきました(苦笑)

まぁ、今は本業(といっても、自分の研究ではないですが)なので仕方ないですね。

写真は、CCDカメラ 制御&偏光撮像装置 PICO 制御用の PC です。
中央に縦に 2 つ写っているのが Object (目標天体 = SW3)。
偏光で、波長を 90 度分けて撮像しているので、2 つ写っているんです。

しかし、崩壊間際なのか、コマ(※1)の形が日々変化していて、すごく面白いですよ。
肉眼で見えるようになるかはわかりませんが、
双眼鏡をお持ちであれば、ぜひチャレンジしてみてください!

※1 コマ:彗星の核の回りにあるボーっとしたもの。いわば、彗星の大気みたいなものですね。
      核から放出されたガスや塵からできています。

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2006年5月4日

73P/Schwassmann-Wachmann 3

シュヴァスマン・ヴァハマン第 3 彗星を観測する日々。
B 核がバーストしたらしかったり、1 日でコマの形が変化したり、
なかなか面白いですね。

今日は彗星の眼視観望に挑戦。
最初に、観測に使ってる 50cm 反射望遠鏡に付属している 8cm で見てみる。
いや、導入しなくて済むからですけどね(笑)
でも、見えはするんだけど、あるのがわかるだけ。
特に B 核は・・・全然って感じですね。

そうそう、観測中、天文センターの K さんと F さんが観望がてら遊びに来てくれました☆

続いて、口径 15cm の大双眼鏡で挑戦!
C 核はさすが、それなりに見えました。
でも B 核は・・・心の目がきれいなら見えるっていわれたんですが・・・(苦笑)
ちなみに、写真は双眼鏡を覗いている K さんです☆

やっぱり、マックホルツ彗星くらい立派にならないと見応えないですね。。。
これじゃ、観望会で彗星を見たいって人が来ても、見せられないですよ。

投稿者 KEN : 02:08 | 2007年度以前の記事 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月3日

Star Party @ Tokyo Gakugei Univ.

今日は、僕の所属する東京学芸大天文研究室で、
3 年生の望遠鏡講習会を兼ねた、一般向けの観望会を行いました。
その名も「土星の環を見る会」。
 #僕の命名じゃないですよ?

観望天体は、土星のほか、月や木星、火星、ミザールなど。
惑星がたくさん見える時期は、観望会には助かります。
やっぱり一般受けするのは惑星ですから。

メインの 40cm 反射望遠鏡と、小さな 8cm 屈折望遠鏡を数台だし、
小さい望遠鏡は 3 年生に動かしてもらいました。
最初は惑星を導入するのにも四苦八苦してましたが、最後の方は慣れたかな?
星空解説は、覚えるのに精一杯って感じだったので、徐々に慣れていってもらいましょう。

50 人弱のお客さんが来てくれて、予想以上に大賑わいでした。
実は、学芸大で大学祭のとき以外にこういった、一般向けの観望会をやることって滅多にないんですよ。
これを機会に、どんどんやっていければと思います。

ちなみに学芸大の 40cm 反射望遠鏡は、導入が手動!
(写真は、操作中の僕です。)
 #もちろん、追尾は自動です。
あれだけ大きいものを自分の手で動かすんですから、慣れるまでは大変です。
重いですしね。こっちが振り回されそうです(苦笑)
加えて、僕にはこの望遠鏡を扱う上で非常に重要な欠点があります。


・・・身長が低い。。。


地平高度の低い天体を狙うときや、リバースをするときは、もういっぱいいっぱい。
脚立に乗りながらの操作となります (^^;

極めつけは、


・・・背伸びしないとドームスリットの開閉もできない (>_<。


まさか、天文業界において身長の低さで困ることがあるとは思ってませんでした。。。

投稿者 KEN : 22:29 | - | コメント (102) | トラックバック (0)

2006年5月2日

Hands on the Earth

写真は、今度実験教室で使う予定の直径 1cm 地球です。
今日、作りました☆
太陽の直径が 1m のスケールに対応しますね。
惑星の大きさの違いを実感してもらおうというわけです。

これは、熱湯でやわらかくなる「自由樹脂」というもので作りました。
あっ、大陸は地球儀見ながらペンで手書き!
 #がんばったんですよ、これでも。
これから順次、他の惑星も同じように作っていきます。
 #土星なんかは中心に発泡スチロールの玉を入れて、浮くようにしたりw
 #ちなみに太陽を何で作るかは・・・お楽しみに☆

作り方は簡単。
熱湯に自由樹脂を入れてやわらかくした後、
やけどに注意しながらプラスチックスプーン等でとりだし、手で丸めるだけ!
 #型を作ると、もっとちゃんとした球になります。
地球より大きい惑星は、真ん中になにか核になるものを入れて、
その周りに自由樹脂を巻きつけるって感じで作ると楽ですよ。

ぜひ、お試しあれ!
恒星の大きさ比較とかもできますよ。

投稿者 KEN : 09:03 | 2007年度以前の記事 | コメント (1) | トラックバック (0)

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