2007年1月31日
【bloom】 Japanese plum / 【開花】 梅
こんなシリーズを始めてみました。「天文台歳時記」。
三鷹にある国立天文台は、武蔵野の面影を残していて自然も豊か。
四季折々の自然が楽しめます。
天文台の敷地は常時公開していますが、これらの自然をのんびり楽しむだけでもいいものです。
というわけで、その様子を紹介しようという企画、ぜひお楽しみに。
天文台来台の参考にでもしていただければ幸いです。
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今年は暖冬ともっぱらの評判ですが、それにしても今日は暖かかい。
むしろ、陽の当たる室内にいると暑いくらいですよ。
横浜では二、三日前に梅の開花が報じられましたが、
天文台でも今日の暖かさにつられてか、ちらちらと梅が咲き始めました。
全体的に眺めてみると、咲いているのは皆、白梅ですが・・・。
今年は満開になるのが早いかもしれませんね。
ぜひ、満開になった暁には梅見にお越しください。
投稿者 KEN : 16:46 | 2007年度以前の記事 | コメント (260) | トラックバック (115)
2007年1月24日
at an urban canyon
今日は、大学の研究室の先輩に頼まれて、港区立新橋児童館で観望会をしてきました。
頼まれたのは、冬の星座とその見つけ方のお話、そして冬の星座の観望。
なので、色の対比もきれいだし、オリオン座のベテルギウスとリゲルを見ようと思っていたのですが・・・。
さすがサラリーマンの街、新橋。
当然児童館の周りはビルばかり。
空の明るさとか言うよりも、何より空が狭いのです。
特に南隣のビルが高かったのが痛かった。
それなりに高く昇ってきているはずのオリオン座がまったく見えない!!
仕方ないので、見栄えがいい月とおうし座のアルデバランを見てもらいました。
やっぱり月は受けますね。
見たときの迫力が違いますし、見せたときの子どもたちの反応も違います。
もう、声が上がる上がる(笑)
でも、一番興奮してたのは、引率のお母さん方、そして児童館の職員さんたちだったりするんですけどね(笑)
また、来年も頼まれてしまいましたよ(爆)
しかし、都会で人々が空を見上げないのは、
空が明るいのに加えて、空が狭いからなんだろうな、とつくづく思った観望会でした。
投稿者 KEN : 22:31 | - | コメント (352) | トラックバック (132)
2007年1月23日
National Center Test for University
先週末はセンター試験でしたね。
我が家も弟が受験生なので、例年よりは慌ただしく 2 日間が過ぎていきました。
さて、せっかくなので、毎年恒例、地学の問題を解いてみました。
というわけで、センター試験問題考 地学編です。
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第 1 問 【固体地球物理分野】
A 地球の形状に関する問題。
問 1 は、まぁ、いい問題だと思う。
問 2 、悪くはないが、どちらかと言えば、なぜ赤道半径の方が長いのかを問うてほしかった。
上記に対応させると、問 3 は、重力が最大なのはどこか?みたいな感じかな。
B 地震波と地球の内部構造の問題。
問 4 は妥当かな。この手の問題、苦手な受験生が多いんだよね。
下手すると暗記問題になりかねないから、そこらへんは注意が必要。
問 5 は簡単かな? でも、問題としては悪くない。
問 6 、あまり域がある問題とは思えない。数字を覚えることにあまり意味はない気がするのだが。
第 2 問 【鉱物分野】
A 結晶分化作用と鉱物の問題。
問 1 は、ヒントが多すぎて簡単すぎる気がする。もしくは、選択肢を増やすべき。
最後に析出するのが石英、と選んだ時点で答えが決まってしまう。
問 2 、問題よりも、スケッチに問題がないか?
A と B の比較や形状で答えさせたいのだろうが、ほとんどの鉱物結晶が自形すぎる。
結晶の析出の順序の関係で、自形か他形かで答えさせるべきでは?
B P-T 図の問題。定番。
問 3 は良いと思う。ここはしっかり理解してほしいところだしね。
問 4 もまぁ、定番の普通の問題かな。可もなく不可もなしって感じ。
C 火山噴出物の問題。主に軽石。
問 5 はなかなかいいと思う。パンを例に出したのは面白い。写真が白黒で見にくいのが残念。
ただ、選択肢にはもう一工夫ほしかった。
問 6 もそれなりの問題。
第 3 問 【地質分野】
A 地質断面図を利用した問題。これまた定番。
問 1 は示準化石から地層が堆積した年代を答える問題。定番。まぁ、普通でしょう。
問 2 も地層の走向・傾斜を答えさせる問題。定番。
走行・傾斜はいつから四方位にのみになったんだろう?八方位くらいにしてもいいと思うんだが。
問 3 はなかなか良問。ある程度は考えさせるんじゃないかな。
問 4 は問題としてはいいと思うけど、少し難しいかもね。
ちゃんと理解している受験生、少ないんじゃないかな。
写真が見にくいところに少し難ありか。
B 生物の変遷の問題。主に大量絶滅関係。
問 5 は完全に暗記問題。大量絶滅とは全然関係がない。よろしくない。
問 6 はいいと思う。が、やはり大量絶滅とは関係がない(苦笑)
第 4 問 【流体地球物理分野】
A 海洋の問題
問 1 、まったくもって意味が感じられない。あんなの答えさせてどうする?
問 2 も暗記になりがち。考えさせる問題ではない。選択肢の数値もナンセンス。
B 気象の問題。天気図登場。
問 3 は、前線の構造や性質などの基本を問う問題で良いと思う。
問 4 も受験生には難しいかもしれないが、悪い問題ではない。
問 5 、別にそんな計算させなくても・・・と言う気がしないでもない。
問 6 は、これはいいと思う。日本の天気の特質なども知っていないと解けない。
きっととまどった受験生も多いのでは?
第 5 問 【天文分野】
A 太陽エネルギーの問題。
問 1 まぁ、普通の暗記問題か。[イ]の空欄は、別問で計算させてほしかった。
問 2 は普通、かな。
全体的に厚みがほしかった。
B 宇宙の構造の問題。
問 3 は、暗記になりがちだが、悪くはない。
問 4 、選択肢に工夫の余地有り。でも、着眼点は悪くない。
問 5 、別にここでやる必要はないんじゃないか?的な問題。
問 6 のような問題は、結構よく出る。計算問題としては難易度が高いが、いい問題だと思う。
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とつらつら偉そうに書いてみました。
あれだけ騒がれたけど、太陽系の問題は出なかったですね(笑)
興味ある方は一度、やってみてください。
問題は予備校の web とかで見ることができますよ!
投稿者 KEN : 23:14 | - | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年1月21日
believe blindly
平松さんの日誌にも取り上げられていた、
某番組の“納豆がダイエットに効く”説が捏造だったそうですね。
もちろん番組制作側が悪いのですが、
TV で流れた情報だからといってそのまま鵜呑みにして信じてしまう、
そんな視聴者側にも問題がないとは言い切れません。
科学の基本は疑うことから始まります。
TV でやっていようが、本に書いてあることであろうが、それが正しいとは限りません。
それを何も考えずに信じてしまうあたりに、
いわゆる「科学リテラシー」の低さが出ているのではないでしょうか。
もちろん、すべてを疑えというわけではありません。
本当かな? なんでそうなんだろう? 自分でも確かめてみよう。
そうやって自分の頭で考えることが大事なのです。
天気予報だって、いちおう、見て参考にはするけれども、自分で空模様見て判断するじゃないですか。
大事なのは総合的に情報を集めて判断すること。
ある番組や、ある司会者が言ったから、という一面的な判断ではなく、
もっといろいろな情報を参考にしなければいけないのです。
こういうことができるようになるのが、「学力」であり「リテラシー」だと思うんですけどね。
とはいえ、今回のような事件が許されるわけではありません。
放送局には、正しいことを伝えるというメディアの使命をもう一度確認するとともに、
猛省をしてほしいと思います。
#人間って数字やグラフみたいなデータに弱いですよね。正しい気がしてしまうらしい。
投稿者 KEN : 22:56 | - | コメント (266) | トラックバック (108)
2007年1月20日
transit
昨晩から今朝にかけて、久しぶり(!)に修論のための観測でした。
目指すは系外惑星のトランジット検出。
すばる望遠鏡の観測によって、ドップラー法で検出された惑星系を持つ恒星を 50cm 望遠鏡で観測し、
惑星による恒星の減光があるかどうかを確かめるのです。
観測自体は、ひたすら恒星を撮像するのみです。
見ていてわかるほどの減光は起きませんから、結果はこれから解析をしてから、ということになるのですが、
その前にすでに問題が。
冬型の気圧配置が弱く、観測開始当初は完全なべた曇り。
当然、なにも写りません。
仕方がないので夕食を食べたりして時間をつぶしていると、23 時過ぎから晴れだし、ほぼ快晴に!
急いで出陣、導入、フォーカスの調整、視野の調整などをするも、
観測を再開できたころにはうす〜い雲が。。。
とりあえず、時々は写るので、100 枚連続撮像をセットして、部屋の中へ。
そして次に戻ってくると…星が流れている!!
なぜだ!?
星は、地球の自転の影響で東から西へ動いているように見えるのはご存じだと思いますが、
望遠鏡にはそれを自動で追尾できるようになっているのです。
にもかかわらず流れているとは・・・!
原因を探っていると、望遠鏡の姿勢的にこれ以上目的の天体に向け続けられないというエラーが出ていました。
この望遠鏡はその構造上、北の天体を追いかけるのが不得意なのですが、
まさにそれが出てしまったのです。
なんとか手動で導入し直し、観測を再開。
…貴重な時間をロスしてしまった。。。
今度は同様なことが起きてもすぐに対処できるよう、寒い中、外で待機。
すると…
続々と流れてくる雲の塊…。
どんどん目標天体の前を通過していきます。
雲のトランジットによる減光をしまくりですよ(泣)
結局、使えるデータは半分くらいでしょうか?
これから解析に入ります。
もっとすっきり晴れてほしいなぁ。。。
投稿者 KEN : 10:02 | 2007年度以前の記事 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年1月15日
challenger
先日、2006 P1 のところでも紹介したマックノート彗星。
やはり、一度は見ておきたい!、白昼の彗星を見たい!ということで、
今日は、太陽系小天体ゼミが終わった後、ゼミメンバーで双眼鏡を片手に挑戦してきました。
国立天文台の W 助教授を筆頭に、彗星研究者の F さん、天文台職員の M さん、S さん、
そして学生の I さんと僕で、いざ、屋上に出陣です。
しかし、いまだ近日点通過から2日。
まだまだ太陽に近く、普通に見たのでは太陽が双眼鏡の視野に入ってしまい大変です。
なんとか太陽を壁とかで隠しながら、彗星だけを視野の中に入れようとするのですが、
いかんせん、見つけづらい。
しかも、いくら太陽を直視していないとはいえ、
付近の昼空を双眼鏡で見ているのですからかなりの明るさ、しばらく見ていると目が痛くなってきます。
空はというと、薄く雲がかかっている様子。
腰を低くしてなんとか物陰を確保しながら順番に探してみましたが、まったく見つかりません。
とりあえず、断念して部屋に戻ることに。。。
その後、日没時刻が近くなったころ、再び M さんと S さんが挑戦の旅に。
同時刻に S さんの奥さんも多摩川河川敷で挑戦しているとのこと。
もう、時間との戦いです。
見えたら連絡をもらうことにして、残りの人員は部屋で待機。
淡い期待を抱きつつ待ってました。
・・・が、残念ながら見つけることができないまま、二人は帰ってきました。
もう、この彗星を見ることはできないのか・・・?
世紀の大彗星なのに・・・。
いや、きっとまだチャンスはある!
そう心の中で信じつつ、明日も挑戦してみようと思うのでした。
投稿者 KEN : 23:24 | 2007年度以前の記事 | コメント (233) | トラックバック (95)
2007年1月13日
light town Hakodate
今日は、Astro-HS の北海道地区講習会に講師として行ってきました。
会場は遺愛女子中学・高等学校。
校舎が文化財に指定されているという、古くて伝統ある学校です。
#ここに来るのは昨年に続いて 2 回目。前回は日帰りでした(苦笑)
参加者は遺愛女子の中高生 6 人に、遺愛高校の先生含め、近隣高校の先生方 5 名。
テーマは「夜空の明るさをはかる」、すなわち光害についてです。
とはいっても、光害のなんたるかを話したわけではなく、
フィルムカメラで夜空を撮って、それをデジタルデータ化して画像解析、
夜空の明るさを定量的にはかるという技術的な面の実習のようなものをしました。
途中、地震があって津波注意報が発せられるも、それに気づかないまま(爆)講習は無事終了。
函館の夜空の明るさは約 17 等という結果が出ました。
皆さんもご存じの通り、函館は日本三大夜景都市の一つ。
まさに、「光の街」です。
光害防止なんていうことは行政の中には一切なく、むしろライトアップを奨励しているそうです。
函館山から見た函館市街の夜景、さぞ美しいのでしょう。
そして同時に、函館はイカ漁の町。
イカ漁に使われるのは……そう、漁り火です。
あの強烈なライトでイカを呼び寄せ、獲る。
今回は残念ながら土曜日だったので漁船がほとんど出ておらず、
そのまぶしい光を体験することはできませんでしたが、話を聞く限り相当なもののようです。
夜景がダメだとは思いません。確かにキレイですから。
漁り火も、イカ漁は漁師さんたちにとっては生活の糧、廃止なんてとてもできるものではないでしょう。
ただ、もう少し何とかならないものかなぁ、とも思います。
光害は、植物にはもちろん、人間にも影響を及ぼします。
本来、夜は暗いものですから、生活リズム、ひいては健康に影響を及ぼすわけですね。
漁り火も、ディーゼルで発電していますので、大量の NOx が発生して、
大気汚染や漁師さんたちの健康被害もあるそうです。
たとえば、一月に一回とか、ライトアップせずに星を見てみよう、
なんていう日があってもいいんじゃないでしょうか。
漁り火も、海面を照らせればいいわけで、空に光が漏れないような工夫等をしていく。
光の街というアイデンティティは函館の個性ですから、それを失わずにうまく両立できればいいと思いますね。
遺愛女子の生徒さんたちは、日本天文学会春季年会のジュニアセッションで、
光害に関する調査結果を発表するとのこと。
楽しみです。
その研究が、少しでも函館に夜空を取り戻すきっかけになればと思います。
投稿者 KEN : 23:22 | - | コメント (276) | トラックバック (123)
2007年1月11日
2006 P1
2006 年 8 月に McNaught 氏によって発見されたマックノート彗星が、非常に明るくなっています。
その明るさはなんと -1 等級。
へール・ボップ(Hale Bopp)彗星以来のマイナス等級の彗星です。
マックノート彗星はここ数日は、日没直後の西空に見えています。
金星しか見えていない明るい日没直後の空でも、双眼鏡を使えばはっきりと見えるそうです。
白昼の撮影に成功した人もいるとか。
もっと太陽からの離角が大きくて、高い空で見えていれば、間違いなくグレーとコメットになったでしょう。
13 日が近日点通過、すなわち太陽に最も近くなる日ですので、だんだんと見にくくはなってしまいますが、
地平線の近くまでよく晴れている日がありましたら、注目してみてください。
ちなみに・・・今日は双眼鏡で観望してみようと思い立って準備を始めてから、
みるみるうちに曇ってきました・・・(泣)
投稿者 KEN : 23:32 | 2007年度以前の記事 | コメント (0) | トラックバック (1)
2007年1月10日
Is Pluto pluted?
昨日の新聞記事にあったのですが、
アメリカ方言学会が、昨年 8 月に惑星から矮惑星となった「pluto」を「2006 年の言葉」に選んだそうです。
なんとアメリカでは、「pkuto」が降格させる、受動態の「pluted」が降格させられるという意味で使われているそうです。
なんていうか、アメリカ人はたくましいですね。
自分たちが発見した惑星ということで愛着が強く、ディズニーのキャラクターに名前にも採用された「pluto」。
惑星から外す議論の際にも、強く反対していたと思ったら、今度は動詞にしちゃう。
しかも、意味は「降格させる」。
なんでみんな冥王星が「降格」したと考えるのでしょう。
別に惑星が偉くて矮惑星が偉いわけではないですからね。
むしろ矮惑星の代表的存在になったのです。格上げじゃないですか。
そもそも、そんな「格」とか考えてるのがおかしいのです。
大きいのが偉いわけでもないし、そもそも惑星だの矮惑星は人間が勝手に決めるていること。
「冥王星が降格」という言葉を聞くたびに、
大国優位主義を科学の世界にまで持ってこられてる気がします。
大事なのは、天文学の、科学の発展によって太陽系が広がったこと。
太陽系の外縁部の姿がより明らかにされてきたと言うことです。
そこを認識してこそ、今回の IAU の定義は意味があるものとなるのです。
「降格」というマイナスイメージではとらえないでほしいですね。
投稿者 KEN : 22:24 | 2007年度以前の記事 | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年1月9日
fu - ro - shi - ki
というわけで、昨日の原美術館のミュージアムショップで買ったグッズのご紹介です。
「ふろふろしき」
写真を見ればわかるとおり、名刺入れとして使っていますが、
別に何を入れても構わないです。
要は、風呂敷のようにファスナーもボタンもフックも使わずに、ただ名刺を包んでいるだけです。
包むだけでものを収納できるわけですね。
いろいろなサイズが売ってました。iPod が入るサイズとか。
風呂敷は日本の伝統の一つ。
最近はほとんど見かけないですが、布きれ一枚でいろんなものを包んで運べる、
かなり便利なものです。
物を包むだけではありません。
座るときに下に敷いたり、頭に被ったり(泥棒!?)、物を縛ることもできます。
似たものとしてはバンダナがありますか。
バンダナもいろいろ使えますよね。
で、これの楽しみ方はただ物を包んで入れてキレイ、だけではないのです。
他の透明色な物と組み合わせて色の重なりを楽しんだり、
中に入れる物との色の重なりを楽しんだり。
見られたくない物は補色の物で包んで重ね入れすると消えたりしますしね!
透明食であるが故の、いろいろな楽しみ方ができそうです。
#っていっても、僕は一つしかかってないんですけどね(^^;
実物を見たい人は僕に会ったときに一声かけてください(笑)
名刺入れなのでほぼ毎日持ってます。
投稿者 KEN : 22:14 | 2007年度以前の記事 | コメント (245) | トラックバック (109)
2007年1月8日
Art is Everything
今日は東京都美術館で開催されている「NAU21世紀美術連立展」に行ってきました。
あまり美術館には行かない方なのですが、友人の作品が展示されているということで行ってきました。
現代美術の作品展なのですが、現代美術ってのがよくわからない(笑)
なんでこんなの描いたんだろう?
なんでこんなの画こうと思ったんだろう?
ってか、これ何?
という感じの作品がたくさん(笑)
もちろん、惹かれる作品もたくさんありましたよ。
さて、その後、九州からはるばる来ていたその友人と合流、
喫茶店でおしゃべりをした後、二人で品川にある原美術館に向かいました。
1930 年代に建てられた洋館を改装した美術館で、なかなかいい雰囲気です。
美術館の感想はとりあえず置いておいて(笑)、併設されていたミュージックショップのお話を。
並んでいるグッズを眺めながら感じたのは、
どんなものもアートにしてしまう、アートになってしまうんだなということ。
そして、生活の隅々にまでアートが浸透するようなグッズが多いこと。
たとえば、お香立て。
線香のようなお香を立てる場所がゆっくり回るようになっているんですね。
すると当然、お香の煙が模様を描く。
お香から落ちる灰も回りながら落ちるわけですから、下皿の上で模様を描く。
それがアートなんですね。
よく考えつくものです。
加えて目についたのは、なんと アントクアリウムが売っていたこと。
これはもともと NASA がスペースシャトルでの無重力実験のために開発したもの。
サイエンスグッズ・ワークショップのときにも話が出ましたが、
そのときはサイエンスグッズというカテゴリで取り上げられたわけです。
"癒し”という観点もありそうです。
そして、"アート”。
きれいな色のジェルに掘ったアリの巣、それをアートとして見るんですね。
絶対に同じものができない、アリが作る芸術というわけです。
ショップをゆっくりと眺めていて、
どんなものでもアートにできる、自分の感性次第でアートはどこにでも感じられるんだなと思いました。
僕も感性を磨きたいものです。
見てるだけでは飽きたらず、ついついいくつか買ってしまいました(笑)
それについてはまた明日☆
このように、科学だって本来日常のどこにでもあるもの。
そういう、ナニかを創り出したいですね。
それと、天文もアートになりうるはずですよね。
天体ってキレイですし、それ以上に、なにかインスピレーションを得られると思うんです。
可視光以外は見えないものなんだし。
もっとアート系の人たちと出会いたいですし、なにかしたいですね。
天体現象の説明文だけ渡して、そこから想像できるものを描いてもらう。
なにか生まれてきそうじゃないですか?
投稿者 KEN : 23:59 | - | コメント (2) | トラックバック (0)
2007年1月4日
Oriental Zodiac
西洋の星座には「黄道十二宮」というものがありますよね。
いわゆる誕生日星座。
これは、地球から見た太陽の通り道=黄道に位置する星座たちで、
自分が生まれた月に太陽がある星座が、自分の誕生星座になります。
それに対して日本や中国・韓国には「干支」という文化があります。
これは十干と十二支を組み合わせたもの。
(十二支=干支って思っている人は多いようですが、違いますよ〜)
中国を中心とした漢字文化圏では、干支を用いた 60 年周期の干支紀年法が、
年号紀元紀年法と併記されて使われてきました。
実はこの干支紀年法、木星と関わりがあるのです。
中国の戦国時代(紀元前 403 年?〜紀元前 221 年)には、
天球上での木星の位置に基づいた歳星紀年法(歳星とは木星のこと)が用いられていました。
木星は、約 12 年で天球上を一周します。
そこで、「歳在星紀(歳星が星紀にある)」というように、
天の赤道帯を十二分した「十二次」のどこに木星がいるかで年を表したのです。
(ゆえに、木星を歳星というのです)
その後、木星の軌道円上の反対位置に架空の星「太歳」を作って、
その位置で年を表すようになり(太歳紀年法)、
さらに前漢の時代(紀元前 206 年〜紀元 8 年)になると十干と組み合わされ、
干支で太歳の位置を表すようになりました。
そして後漢( 25 年〜 220 年)の元和 2 年( 85 年)、
木星を観測してその位置で年を決めることは行われなくなり、
単純に 60 年周期の干支を 1 年ごとに機械的に進めていく現在の形となったのです。
日々の運勢占いや性格占いなどで有名な黄道十二宮に比べ、
どこかマイナーな感がある干支ですが、干支は日本人の生活に浸透している文化。
昔は時刻にも方位を表すのにも使われていた干支(甲子園の名前の由来もそうですよ)。
ぜひ、この機会に見直してみてください。
ちなみに今年の干支は、丁亥(ひのとい)です☆
投稿者 KEN : 22:03 | - | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年1月3日
Biggest
ニュースにもちらっと取り上げられていますが、兵庫県で恐竜の化石が見つかったそうです。
(発見は昨年夏)
日本で恐竜化石が発見された例は少ないので、それだけでも貴重ですが、
なんと、世界的にも珍しく、しかも今後、全身骨格が出る可能性もあるとか。
新年早々期待大なニュースです。
発見されたのは、兵庫県篠山市、及び同丹波市にまたがる篠山層群。
約 1 億 4 千万年前から 1 億 2 千万年前の白亜紀前期の地層です。
見つかったのは草食恐竜の肋骨や尾椎などの化石十数点と、肉食恐竜の歯の化石三点。
草食恐竜はその骨の形状などからティタノサウルス類の可能性が高いとのことです。
ティタノサウルス類は竜脚類の一種、俗に「かみなり竜」と呼ばれるグループに属します。
有名なのはアパト(ブロント)サウルスやブラキオサウルス、スーパーサウルス、セイズモサウルスなど。
長い首に小さな頭、巨大な胴体にこれまた長い尾、こんな姿が目に浮かぶと思います。
ティタノサウルス類の全長は約 9 〜 12 m、体重は約 13 t。
日本で発見された化石の中では最大級のものでしょう。
では、何が世界的にも珍しいのか?
それはこの恐竜が生きていた「時代」です。
「かみなり竜」はトリアス紀(三畳紀)後期にその原型である古竜脚類が登場し、
巨大化の一途を辿りながらジュラ紀後期に全盛を迎えます。
しかし、その後突如として種の数を減らしてしまいます。
(もちろん、まだ発見されてないだけという可能性もありますが)
この理由はまだ完全に明らかにされてはいませんが、
植生の変化が大きいのではないかと僕は思っています。
白亜紀には今まで全盛だった裸子植物に変わって被子植物が初めて登場しました。
もともと裸子植物を主に食べていた「かみなり竜」にとって、
被子植物は体に合わなかったのかもしれません。
しかし、あの巨体を維持するためには大量の植物が必要となります。
植生の変化による食糧不足、これが「かみなり竜」の減少を招いたのではないでしょうか?
このように、白亜紀前期の竜脚類の化石は珍しいのです。
しかも全身骨格が見つかる可能性があるとすればなおのこと。
これからの発掘に期待がかかりますね。
発掘に携わった「兵庫県立人と自然の博物館」では、
発掘された化石の臨時展示を 1/6 〜 21 まで行うそうです。
お近くの方は、ぜひ足を運んでみては?
投稿者 KEN : 22:15 | - | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年1月2日
2007 : A Space Odyssey
2006 年は、
シュヴァスマン・ヴァハマン彗星の地球接近やオリオン座流星群の突発、
水星の太陽面通過など、さまざまな天文現象がありました。
皆さんはどれだけご覧になりました?
今年、2007 年はどんな天文現象があるのでしょう?
それを、簡単にですがご紹介したいと思います。
☆ 1 月 7 日 : 土星食
土星が月に隠される現象です。
望遠鏡では、土星がゆっくりと隠されていく迫力ある様子が見られますが、
北海道の北東部でしか見ることはできません。
(見ることができる主な都市:根室・網走・北見・釧路・紋別・稚内)
食を見ることができない都市でも、月のすぐそばに寄りそう土星の姿を見ることができます。
ぜひ、早起きをして新年初の観望を!
☆ 3 月 19 日 : 部分日食
九州、四国(南東部をのぞく)、中国、近畿北西部、東北地方北西部、および北海道(南東部をのぞく)で、太陽の一部が欠ける部分日食が起こります。
とは言っても、欠けるのはほんの一部ですが・・・。
☆ 6 月 2 日 : 水星が東方最大離角
最大離角とは、内惑星が見かけ上、太陽からもっとも離れること。
つまり、このときが一番内惑星が見やすいんですね。
太陽から見て東側に離れるときを東方最大離角、西側に離れるときを西方最大離角と言います。
最大離角は 1 年で何回も起きるのですが、一番見やすいのが 6 月上旬です。
東方最大離角ということで、見られるのは夕方西の空。
日没時で高度が 25 度、これは滅多にないチャンスです。
コペルニクスですら見たことがないという水星、このチャンスにぜひ見てみてください。
☆ 8 月 13 日 : ペルセウス座γ流星群、極大
毎年、夏休み恒例のペルセウス座流星群。
三大流星群のひとつで、毎年 1 時間に 50 〜 60 個の流星を見ることができます。
今年は月齢が新月に近いため、条件が最良。
夏休みのまっただ中、ぜひ空が暗いところで観望にチャレンジしてみてください。
☆ 8 月 28 日 : 皆既月食
月食は、月が地球の影に隠される現象。
今回の皆既月食は日本全国で見ることができます。
皆既月食は月が全部隠されるので、
真っ暗になって月が見えなくなってしまうと思ってしまいがちですが、
実はそんなことはありません。
地球には大気があります。
太陽からの光が地球の大気で屈折し、影の部分にも光が当たるのです。
そして、地球の大気を通過する際、波長の短い青い光は散乱してしまい、
赤い光だけが月まで到達します。
そのため、皆既中は赤銅色の月の姿を見ることができるのです。
どのくらい赤い月が見えるかどうかは、地球の大気状態に因ります。
大気中のエアロゾルが多いと、大気で屈折した光が拡散しきってしまい、月まで届かないのです。
1991 年、フィリピンのピナツボ火山が噴火したあとの皆既月食では、
皆既中、月は真っ黒でほとんど見られませんでした。
さて、今年の皆既月食はどうでしょうか?
それを確かめるのは・・・あなたです。
☆ 9 月 24 日 : 金星が最大光度
金星がもっとも明るくなるときで、その明るさはなんと -4.7 等。
昼間でも、目がいい人ならば肉眼で見つけることができると言います。
ぜひ、挑戦してみては!?
☆ 12 月 14 日 : ふたご座α流星群、極大
ふたご座流星群も三大流星群の一つ、例年、1 時間に 60 〜 70 個もの流星を見ることができます。
20 時頃には輻射点が昇っているため、夜早いうちから見られる数少ない流星群の一つです。
今年の月齢は上弦前、夜半前には月が沈んでしまいますから、条件が良い方です。
寒さに負けず、空を見上げてみてください。
☆ 12 月 19 日 : 火星中接近
火星は 2 年 2 ヶ月ごとに地球に接近しますが、今回は中接近。
視直径は 15.9 秒角(木星の半分ほど)になります。
明るさは -1.5 等ほどになるので、空の中で一段と目立つ存在となるでしょう。
今年も盛りだくさんですね☆
もちろん、明るい彗星がくるなど、予想できないことが起きる可能性も多々あります。
そのときは随時お知らせしていきたいと思いますので、乞うご期待!
投稿者 KEN : 22:57 | 2007年度以前の記事 | コメント (257) | トラックバック (101)
2007年1月1日
A Happy New Year!!
皆さま、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年は、全然更新できず・・・特に 11 月以降は・・・すみません。
今年こそは・・・!
今年の自分の中のテーマは「整理」でいきたいと思っています。
いよいよ修士 2 年。修論が本格的に始まりますし、就職への道を考えなくては行けません。
今までいろいろな活動をしてきました。
もちろん、自分の将来につながることばかりでしたが、
手を広げすぎて追いつけなくなりつつある感も否めません。
やるべきことはやる、後輩に継ぐべきことは継ぐ、断ることは断る(これができれば苦労はしないんですが・・・)、
これを目標に、がんばっていきたいと思います。
それでは今年も 1 年間、この blog を見守り下さい m(_ _)m
投稿者 KEN : 21:32 | - | コメント (0) | トラックバック (1)