2008年11月14日
Fomalhaut
本日、ビッグニュースが飛び込んできました。
フォーマルハウトの周りを惑星が回っている様子を直接撮影したというのです。
今までも惑星直接撮像のニュースは飛び込んできましたし、ここでも紹介したことがありますが、
今回は、公転による移動も捉えられているということで、ほぼ確かといえそうです。
#系外惑星の定義にも因るかもしれませんが。
フォーマルハウトといえば、秋の星座、みなみのうお座の 1 等星。
都会の街明りの中でも見つけられる星です。
そのような星に惑星が見つかったというのは大きいですね。
もちろん惑星自体が肉眼や小望遠鏡で見えるわけではありませんが、
「あの星には惑星が回っているんだなぁ」と空を見上げるのも一興です。
もともとフォーマルハウトには、1980 年代初めに赤外線天文衛星 IRAS の観測から、
周囲にちり(ダスト)の円盤があることがわかっていました。
詳しく観測すると円盤の内側の縁がシャープであることや、円盤の中心とフォーマルハウトの位置が位置しない、などということがわかってきました。
そこで、惑星があるのでは? と考えられたのです。
ハッブル宇宙望遠鏡による観測は、コロナグラフという、中心の星の光を隠す方法が用いられています。
画像の中心が黒く抜けているのはそのせいです。
2004 年と 2006 年に撮影した同じ天体の画像で、
フォーマルハウトの近く、円盤の内側の縁に近いところにあった光点が動いていたことから、
惑星と結論付けられました。
1 回の観測で光点が映っても、それが本当に惑星かどうかはわかりません。
たまたま背景の星が写り込んだのかもしれませんし、ノイズかもしれませんから。
見つかった惑星、公転周期は 872 年。
フォーマルハウトからの距離は約 170 億 km で、
太陽から地球までの距離の約 100 倍、太陽から海王星までの距離の約 4 倍になります。
惑星の質量は木星の約 3 倍で、質量的には文句なく惑星と言えそうです。
とはいえ、このように中心星から離れたところに惑星を作るのは、今の理論では難しいようで、
理論的な解明はこれからになりそうです。
実はもうひとつ、系外惑星直接撮像のニュースがあるのですが、それは明日にでも紹介します。
#前の記事に書いたように、今、出先なのです。
投稿者 KEN : 20:56 | 天文学最前線
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