2008年9月22日

Matchmaking Party

こんな記事が。
http://ranking.goo.ne.jp/ranking/017/compa_special/

天体観測合コンだそうですよ、奥さん(笑)

まぁ、満天の星空の下、っていうシチュエーションがいい、ってのはわかりますけどね。

星座や星の知識を誰かがちらっと出せば、もてるんでしょうねぇ(笑)
でも、ここはきっと「ちらっと」が大事なんですよ、きっと。
あまりずばずば言うとマニア or オタクって思われますからね。
「能ある鷹は爪を隠す」というか、チラ見せがいいんですよ(笑)

たしかに、自分がこの業界に来てから、
「デートにふさわしいプラネタリウムない?」
とか聞かれることが多くなった気が・・・。

投稿者 KEN : 21:20 | - | コメント (141) | トラックバック (106)

2008年9月20日

Interview

今日、お昼の観望会に合わせて(?)、
小学 3 年生の女の子 2 人が訪ねてきてくれました。

ここまでは普通のお客さんなのですが、
彼女たちはあらかじめ電話で連絡していたようで、
館長をはじめ、星の子館で働いているいろいろな人たちに話を聞きたいとのこと。
で、天文担当にも、ということで、観測室に来てくれたのでした。

望遠鏡のこと、観測室にあるいろいろな機械のこと、宇宙のこと、
いろいろなことを聞いてメモをして、写真も撮っていたので、

「学校の宿題?」

って聞いたら、そうだというので、

「理科?」

って、さらに聞いたら、

「国語の宿題です。」

というこたえ。


なんでも、自分でテーマを決めて人にインタビューをして、
その結果をまとめるという宿題らしい。

たしかに、教科書にそんなのがあったような気も・・・。
自分はやった記憶がないけど(笑)

人に筋道立てて物事を訊く、そして、人が話してくれたことを簡潔にまとめる、
重要だけど、なかなか難しいことですよね。
自分だって、ちゃんとできているかどうか・・・(苦笑)


それにしても、ずいぶん、しっかりした小学 3 年生だったなぁ(笑)

投稿者 KEN : 18:25 | 星の子たより | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月18日

Rugby Ball in Solar System

7 月にマケマケが準惑星となったのにつづいて、
5 個目の準惑星の誕生です。

その名は、

「ハウメア(Haumea)」

ハワイの神話に登場する、多産と豊穣の女神の名前です。
さらに、
この天体には 2 つの衛星が確認されているのですが、
それらにはハウメアの子どもの名前が付けられました。
外側を公転している明るい方の衛星にはハワイ島の守護神「ヒイアカ(Hi'iaka)」の名が、
内側を公転している暗いほうの衛星には水の精霊の「ナマカ(Namaka)」の名が付いたのです。

この、ハウメア、
発見当時は仮符号「2003 EL61」と呼ばれていましたが(小惑星番号は136108)、
その形が、ラグビーボールをさらに細く引き伸ばしたような形をしているということで、注目を浴びました。
自転軸方向の長さは約 500km なのに対して、伸びている方向の長さは約 2,000km もあるのです。

ところで、2006 年夏に定義された惑星、および準惑星の定義には、以下のようにあります。

「じゅうぶん大きな質量を持つため、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、…(以下略)」

ということは、一見すると今回のハウメア、この定義には当てはまらない気がします。

しかし、ハウメアの質量は冥王星の約 1/3。
ラグビーボールのような形も、他の小惑星のように重力が弱いためにいびつになっているのではなく、
早い自転速度のために強い遠心力が働いて引き伸ばされたためと考えられています。
なにせ、自転周期はたったの 4 時間あまり。
別の天体との衝突によってこのような自転速度を持つようになったと考えられています。

準惑星としては 5 個目、冥王星型天体としては 4 個めになるハウメア。
今後、どのような天体が準惑星に加わるか、楽しみですね。

投稿者 KEN : 17:12 | 天文学最前線 | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年9月17日

Look Straight?

カナダ、トロント大学のチームが、
ハワイにあるジェミニ北望遠鏡を用いた観測で、
系外惑星の直接撮像に成功したかもしれない、
というニュースを発表しました。
一部新聞でも報道されたので、ご存知の方もいるでしょう。
 #一部新聞には報道に問題を感じましたが…、その話はまた後日。
 #でも、思ってたよりもとりあげた新聞社、少なかったですね。

撮像されたのは、さそり座の方向、
地球から約 500 光年かなたにある若い恒星 1RXS J160929.1-210524。
恒星のスペクトル型は K7 型で、太陽よりも低温低質量の星です。
見積もられた恒星質量は太陽の約 85 %、
表面温度は 4060+300-200 ℃ だそうです。

惑星と見られる天体(ジェミニ天文台のサイトでは Companion と呼んでいます)は、
質量が木星の約 8 倍と見積もられており、そのとおりであれば、たしかに惑星と呼べる質量ではあります(※ 1)。
しかし、この質量、天体の光度から大気モデルを当てはめて質量を計算するという方法で求められています。
今回は褐色矮星の大気モデルを用いて計算されているそうですが、これには大きな不定性があります。
パラメータ如何によっては、桁で質量が変わってしまうことがありえます。
今回の、木星の 8 倍というのは最小質量ですから、
たしかにこのままであれば惑星ですが、さらに大きくなってしまう可能性はじゅうぶんにあります。

つづいて問題なのは、恒星とその Companion までの距離です。
見かけの距離で恒星から Companion までは 1 秒角以上も離れています(図 1)。
となると、恒星から Companipn までの実距離は、太陽から地球までの距離の約 330 倍にもなるのです。
これは惑星と呼ぶには遠すぎます。
太陽系でもっとも外側を回る海王星でさえ、太陽から地球までの距離の約 30 倍です。
その 10 倍以上も離れていることになります。

では、なぜ恒星から遠すぎると惑星と呼べないのでしょうか?
これは、惑星の“でき方”を考えるとわかります。

惑星は、恒星が誕生する際に、その周囲につくられる原始惑星系円盤から誕生すると考えられています。
その流れは図 2 を見てほしいのですが(わからなかったらコメントください)、
要は、惑星は恒星の周囲に形成された原始惑星系円盤からつくられる、というところがポイントです。
こちらにも詳しく書いてあります。)

太陽から地球までの距離の 330 倍の距離に惑星を作るためには、
それだけ大きな原始惑星系円盤が必要になります。
ところが、今回観測された恒星は、質量が太陽よりも小さいのです。
太陽系の場合、原始惑星系円盤の質量は、太陽質量の約 1 %だと考えられています。
ということは、恒星の質量が小さいのに、円盤の大きさ・質量が太陽よりも大きい、
というのは考えにくいのです。

では、惑星自体はもっと内側で作られたけど、何らかの原因で外側に運ばれた可能性はないのでしょうか?
たしかに、太陽系においても、海王星はそのように移動して現在の位置に落ち着いた、という説があります。
とはいえ、恒星の重力を振り切って、そんな遠方にまで移動できるでしょうか?
また、惑星を外側に移動させるためには、もうひとつ、内側に惑星が必要になります(※ 2)。
外側の惑星がさらに外へと移動する分、内側の惑星はさらに内へと移動します。
ということは、その移動量にも限界があるのです。
内側の惑星が恒星に落ち込んでいってしまったら、それ以上移動できませんから。

さらに痛いのは、この天体が恒星の周りを本当に回っているのかどうか、確認できていないことです。
最悪、たまたま同じ方に見えているけど、もっと遠くにある別の星、なんてこともありえます。
たしかに、これだけ離れていれば、公転周期は非常に長くなり、
天体の移動を確認するだけでもそれなりの時間がかかります。
単純に、軌道長半径が 地球の 330 倍と仮定し計算すると、公転周期は約 5995 年。
天体がある天体の周囲を回っている、ということを証明するためには、少なくても 3 回観測をして、
動いていることを確認して、軌道を求めなければなりません。
ちょっと時間がかかりそうです。


というわけで、僕個人の考えとしては、今回見つかった Conmpanion は、
惑星であってほしいとは切に思いますが、残念ながら惑星ではないと思っています。

では、いったいなんなのでしょうか?

ジェミニ天文台の web ページにも書いてありますが、2 つの可能性があると思います。

1 つめは、褐色矮星。
簡単にいってしまえば、連星系のなりそこないです。
恒星と同様、星間ガスが集まってできたのですが、質量が足りず、中心で熱核融合ができなかった。
いずれ、輝きを失い、消えていくでしょう(※ 3)。

2 つめは、浮遊惑星(free-floating)。
これは、惑星状天体なのですが、その名のとおり、宇宙を浮遊している、
なにかの周囲を公転していない天体です。
現在の系外惑星(広く言ってしまえば惑星)の定義では、
惑星は恒星か、元・恒星(※ 4)の周りを回っている必要があります。
つまり、浮遊惑星は、惑星とは呼べないのです。

考えられるのは、この 2 つのうちどちらか、だと思いますが、
浮遊惑星が偶然写り込む、というのは考えにくいので、
結局のところ、褐色矮星に落ち着くのではないかと思っています。

なんだか夢がなくなってしまいましたが、
それでも、系外惑星の直接撮像・直接観測は人類の夢です。
その夢に向かって、様々な観測装置の開発が行われています(※ 5)ので、きっと、近い将来、
間違いなく系外惑星! という天体が直接捉えられると信じています。
皆さんも、楽しみにしていてください。


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※1:
系外惑星には明確な定義はありませんが、
木星質量の十数倍以下を惑星、それ以上 〜 80 倍程度以下を褐色矮星と呼ぶことにしています。
これは重水素による熱核融合を起こせるか否か、を惑星と褐色矮星の境界線にしているのですが、
そもそも惑星と褐色矮星では形成過程が異なるため、上記の点で分けるべきではないという意見もあります。

※2:
海王星の移動は、タイプUの惑星移動(migration)であると考えられています。
タイプUの migration とは、
角運動量(簡単に言えば、回転する力)の渡し合いによって、
内側の惑星はより内側へ、外側の惑星はより外側へ移動していくことをいいます。

※3:
褐色矮星は、自分自身の重さでつぶれようとするエネルギー(重力エネルギー)を解放することによって輝いています。
核融合のように持続的にエネルギーを供給できないため、いずれは冷えて光を出さなくなります。

※4:
恒星が死を迎えたあとの姿、たとえば、白色矮星や中性子星などがあります。
実際に、中性子星には惑星が発見されています。

※5:
日本では、中心の恒星の光を隠して(簡単に言えば、人工的に皆既日食を起こして)、
その光に埋もれている惑星の姿を捉えてやろうと、Hi-CIAO という装置を開発中です。

投稿者 KEN : 21:30 | 天文学最前線 | コメント (142) | トラックバック (106)

2008年9月17日

Puzzle

7 月と 9 月のキラキラクラブでつかった「星座パズル」です。

星座は、星と星を線で結んだもの、
というイメージが強いですが、
実は、星座には「領域」が決められていて、
星空を区分けしているのです。
よく、もっとも大きい星座は? なんて言いますが、
これは、この領域の面積で比べているのです。

そこで、その星座境界線で星空を区切って、
パズルにしてみました。

星座が実際の空で見つけられない! と言う声はよく耳にしますが、
星座を結べるようになるコツは、2 つあると僕は思います。

==========

1.星座の星並びを、何も見ないで書けるようになるまで覚える。

==========

やはり、形を覚えていないと星座を探すのは困難です。
逆に言えば、形を覚えれば、比較的安易に星座を見つけることができます。
オリオン座や北斗七星、カシオペア座なんかは、皆さん、結構見つけられますよね?
これは、形が有名で、頭の中に叩き込まれているからです。

==========

2.星座同士の位置関係・配置を覚える。

==========

これも結構重要です。
何座の隣には何座があるのか、ということがわかれば、空での大まかな位置がわかります。

そして、この星座パズルは、星座同士の位置関係を覚えるのに結構有効! なのです☆


しかし、難点もあります。
このパズルは、全天球を 1 枚に表しています。
とすると、世界地図と一緒で、もともと球面のものを平面に落としているわけですから、
どうしてもはじの方はゆがんでしまいます。
このパズルでも、みなみじゅうじ座(南十字星)はとても、そうは見えません。

なので、星座の星並びは覚えられないという、残念な結果になってしまっています。

誰か、いいアイデアありませんか?


ちなみに、写真のパズルは諸事情により(なくしたわけではない)ピースが 4 つ足りてませんが・・・
さぁ、何座のピースが足りていないでしょう?
全部正解したあなたには、豪華景品をプレゼント!?

投稿者 KEN : 18:27 | 科学教材ライブラリ | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年9月16日

September

今日で 9 月も後半戦。
夏休みの反動からか、9 月に入ってからは週末も含めてお客さんの入りが低調です。

年間、もっともお客さんが少ないのはおそらく 6 月なのですが、
9 月はそれに次いで少ないのかも。

お泊りが少ないのはわかるのですが、
観望会にのみ参加してくれるお客さんを、もっと増やしたいですね。

しかし、今週末は台風に見舞われそうな予感。。。
弱ったなぁ。

投稿者 KEN : 20:40 | 星の子たより | コメント (135) | トラックバック (109)

2008年9月9日

Black Callisto 2

昨日記事にした、木星面に重なったカリストの画像です!

矢印の先にある黒いしみのようなものがそうなのですが・・・
わかりますか??

投稿者 KEN : 19:39 | 星の子たより | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年9月8日

Black Callisto

昨晩、観望会中からその後 1 時間あまり、
ちょっとした騒動があったので(笑)、その様子をご報告します。

*****

え〜、まずは事の発端から、時系列で追っていきましょう!

19:30
観望会は 1 家族の貸切でした。
非常に天気が危ぶまれたものの、西から徐々に晴れ、
雲間を縫っていろいろな天体を見せることができました☆
よかったよかった。

木星を見せようと導入したとき、

(なんか、衛星の影みたいなのが見えるな…)

と思いつつ、雲まで木星が見えたり消えたり、という状況だったので、
深くは追求せず。
19 時の回の観望会が終わったとき、上司に話した程度。


20:20
20 時の回の観望会も 1 家族の貸切。
木星あたりがすっきりと晴れたため、木星を見せました。
今度はその「影のようなもの」がくっきりと。
上司もお客さんも確認しました。

「木星の周りにも、地球の使うこ

投稿者 KEN : 18:20 | 星の子たより | コメント (77) | トラックバック (57)

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