2010年1月17日

今シーズン最後のすばる食

皆さん、すばる食、という天文現象をご存知ですか?
星食のひとつで、すばる(プレアデス星団)が月に隠されるという現象です。
すばるは広がった天体ですので、すばるの星が次々と隠されていく様子はなかなか圧巻です。

そんなすばる食、実はいつでも見られるというわけではありません。

すばる食が見られるのは、
天球上での月の通り道「白道」がたまたますばるのすぐ近くを通っているからなのですが、
その白道は年々、ある一定の範囲を、南北に動くように位置を変えています。
そのため、白道とすばるが重ならない時期があるのです。

2006 年ごろからすばる食が毎年見られるシーズンが始まっていたのですが、
そのシーズンも 2010 年で終わりです。
日本の夜空だけで考えると、次回、2010 年 1 月 25 日のすばる食が今シーズンの見おさめになります。
次にすばる食が見られるのは、2024 年。ほとんど 15 年後なのです。

1 月 25 日のすばる食は、薄明終了後まもなく始まります。
見る場所によって始まる時刻は変わりますが、
姫路では最初の星、エレクトラが隠され始めるのが 19 時 08 分です。
エレクトラは 45 分後、19 時 53 分には再び姿をあらわしますが、
メローペ、アルキオーネ、アトラス、プレイオネと次々とすばるの星たちを隠していき、
すばる食の全経過が終了するのは 22 時半過ぎになります。

すばる食は月の公転を実感できる現象であるとともに、
異なる 2 地点で観察をすると月までの距離を求めることができたりします。
中高生向けの観察実習にはお勧めの現象です。

また、今回のすばる食は、比較的早い時間帯に見られる、
すばるの中で最も明るいアルキオーネが隠される、
月齢が半月過ぎと、比較的見やすい、など好条件のものです。

これを逃すと 15 年間、すばる食を見ることができません。
ぜひ、観望にチャレンジしてみてください!

投稿者 KEN : 16:06 | Star Watching! | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月2日

元日の月食とブルームーン

今年は初日の出よりも早く、早朝に部分月食がありました。
食分(欠け幅)は最大で 1% というわずかなものでしたが、
肉眼でも欠けているのははっきりとわかりましたね。

僕は前の記事にも書いたように登山に行っていたので、
月食は行きの車中と麓の駐車場で見ました。
機材も何も持っていなかったので、肉眼での観望しかしていませんが。

元日の部分月食、実は史上初めてなのです。

これは、実は暦と関係しています。

日本では明治 5 年まで旧暦(太陰太陽暦)を使用していました。
旧暦は月の満ち欠けを基準にしていますから、「ついたち」は必ず新月になります。
月食は月が地球の影に入って欠けて見える現象ですから、起こるのは満月のときです。
つまり、旧暦では元日に月食が起こることはありえなかったのです。

新暦になればそれは関係なくなりますが、
明治 6 年以来 1 世紀以上、偶然とはいえ、元日に月食は起こらなかったのです。

元日の月食、おめでたいだけではなく、こんな秘密もあったのです。
日本では七夕やお月見など、旧暦に因んだイベントがたくさんありますから、
今年はこれを機に、暦について考えてみるのもいいかもしれませんね!

さて、元日に月食になったのは日本を含む一部の地域だけ。
地域によっては大晦日の月食になったわけですが、
欧米では、昨年 12 月は、満月が 2 回見られためずらしい月でした。
月の満ち欠けの周期は 29.5 日ですから、一ヶ月を 30 日や 31 日としている現行暦では、
ときたま、一ヶ月に二度の満月を迎えることがあるわけです。
ちなみに日本は 1 月がそうですね。

欧米では、一ヶ月に二回、満月が見られるとき、
二つ目の月を「ブルームーン」と呼んで、おめでたいものとする風習があります。

日本での今月二回目の満月は、1 月 30 日。
この日もぜひ、月を見上げてみてはいかがでしょう?
今年一年、Happy な年になるかもしれませんよ?(笑)

投稿者 KEN : 09:37 | Star Watching! | コメント (3) | トラックバック (0)

2010年1月1日

ダイヤモンド富士

先の記事にも書きましたが、
今年は初日の出、しかもダイヤモンド富士を見るべく、
山梨県は本栖湖畔にある竜ヶ岳(標高 1400m 強)に登って来ました。

気軽に登れるクラスの山とはいえ、真冬の寒さ。
頂上付近には残雪も予想されたので、数年ぶりに実家の物置から重登山靴を引っ張り出して出陣です。

数年前に登山道が整備されたばかりのこの山。
ダイヤモンド富士が見えるということもあって、最近は元日の登山者が急増している模様。
麓の駐車場にはツアーと思しき観光バスが何台も停まっていましたし、
登山中、初っ端からツアー客と思しき団体に遭遇して渋滞していました。

午前 4 時半に登山開始。
早く着きすぎて頂上で凍える中待つのもつらいのですが、
頂上が人で埋まっていい場所が取れないのもつらいという・・・なんとも難しい感じです。

団体さんは途中で抜かすことができ、頂上付近は氷結&積雪があったもの、
午前 6 時半には頂上に着きました。
・・・早すぎた?
ちなみに日の出は 7 時 40 分です。

富士山の影のせいで日の出が遅いため、まわりはとうに日の出を迎えている時間。
ですから、空はもう、普通に明るいんですよね。
昇っている最中から美しい朝焼けが見られました。

頂上に着いた後はひたすら待つのみです。
強風も加わって極寒・・・。
麓で −7 ℃でしたから、単純計算−10 ℃程度。
風速が 1m/s 増すごとに体感温度は 1 ℃下がると言われていますので、
体感的には−15 ℃近かったのではないでしょうか。
身体はそうでもないのですが、露出している顔と足先がもう冷えて冷えて・・・。
寒いのは得意な僕ですが、もう限界でしたよ(苦笑)

空は素晴らしい快晴でしたが、富士山の頂上付近にだけ白いものが・・・。
雲かな、とも思ったのですが、強風であることも考えると、地吹雪で雪が舞っているものかもしれません。
日の出直前は前方散乱のせいで明るく光ってしまって、
正直、いつ日の出かよくわかりませんでした。
それでも、太陽が顔を出すと、それだけで暖かいんですよね。
一気に光の矢が四方八方に走り出すというか・・・
まだ見たことはないですが、皆既日食直後のダイヤモンドリングも、あんな感じなんでしょうね。
 #いや、あれ以上ですよね、きっと。

はじめて見たダイヤモンド富士でしたが、寒い中耐えた甲斐がありました。
また行きたいですね。

投稿者 KEN : 18:20 | Star Watching! | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月1日

謹賀新年

新春、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

なかなか書けていないこの blog ですが、
今年も末永く見守ってやってください(笑)

今年の元日は初日の出を拝みに竜ヶ岳という山に登っていました。
ちょうどダイヤモンド富士が見られるんですよ。

初日の出前には、部分月食もありましたね。

これらについては次の記事でご報告&ご紹介します!

投稿者 KEN : 17:59 | 星の子たより | コメント (0) | トラックバック (0)

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