Tenpla Projects No.001 (2004)
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お手洗いにおける効果的な天文普及媒体の開発

The Astronomical Toilet Paper Project

○高梨直紘、夏苅聡美、平松正顕
 
Recieved. 04 December 2003 / Accepted. 01 October 2004
 
Abstract.
生活の中で欠かせない、しかし情報媒体としてはほとんど利用されていないトイレットペーパーを活用し、様々な天文 情報を印刷することによって、多くの科学館・公開天文台・家庭のトイレでの天文普及を実現する。印刷内容は可能な限り天文 学的な知識を織り込みつつ、親しみやすい、使いやすいものとする。
 
Key words. 天文普及、情報伝達
 
1.Introduction

日本人一人の1年間のトイレットペーパー平均使用量は、約3.2kmである(環境ウェールズネット 2003)。1日あたり約9mであるから、1日あたりの面積は約1平方メートルになり、これはA4用紙15枚分にもなる。このように大量に使用されるトイレットペーパーであるが、その紙面は必ずしも有効利用されているわけではない。我々はここに目をつけ、トイレットペーパーに天文情報を掲載し、科学館、公共天文台、個人宅に設置することによって効果的な天文普及を実現できると考えている。


2. contents

この企画で最も重要なのは、トイレットペーパーに印刷する図柄と解説である。調査の結果、トイレットペーパーに印刷するための図柄は、70cmの繰り返しでなければならないことがわかった。これを有効に利用するため、繰り返しても違和感のない内容、うまく輪廻する内容が図柄としてふさわしいと考える。試作品のデザインを図1に示す。これは、印刷が繰り返しであることを利用し、星の一生と輪廻を表現した。各進化段階におけるイメージ図と解説、欄外には補足としての豆知識を織り交ぜ、予備知識がなくても楽しめるものとなっている。今後のデザインについては、グループ内でアイディアを出しつつ、多彩な内容を取り揃えていきたいと考えている。現段階では、黄道12宮星座紹介、電波による銀河面マップなどのアイディアが出ている。いずれも、親しみやすい図柄と天文学専攻の学生ならではの専門的な内容を織り交ぜ、宇宙の新しい楽しみを提案できるものとする。
  3. 実行体制

デザインが確定した後、印刷業者に100ロールから発注する。最初の100ロールは「お試し品」として、希望する科学館・プラネタリウムに配布し、実際に使用してもらうことでユーザーからのフィードバックを得る。この段階では対価は求めないが、寄付には応ずる。試用段階での反応が良好であれば増刷し、希望を募って1個100円程度で販売する。また、ウェブ・天文雑誌や活動紹介の機会を捉えて、より多くの科学館関係者に存在を周知し、販路を拡大する。


4. プロジェクト参加条件

ATP で伝えるのに適した天文情報のアイディアを持つもの。あるいは、新しい情報媒体に興味のあるもの。


5. プロジェクト web page

http://www.tenpla.net/project/001.html
http://www.tenpla.net/atp/ 製品版ウェブページ


6. 問合せ先

このプロジェクトに参加を希望される方は、高梨・平松のいずれかまでご連絡いただきたい。



Acknowledgements
ATP試作品の作成は、日産科学振興財団「理科・環境教育助成」の援助を受けています。