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『カンガルー 大気シャワーを 浴びている』
カンガルー望遠鏡は、オーストラリアにある高エネルギーガンマ線観測専用の望遠鏡です。ガンマ線というのはもっともエネルギーの大きな光で、超新星残骸や活動銀河核などから放出されています。ガンマ線が地球の大気に飛び込むと、空気の粒と反応してよりエネルギーの低い光が出てきます。カンガルー望遠鏡はこの光を捉え、超高エネルギーガンマ線の起源となる天体の性質を調べています。
カンガルー (Cangaroo) とは、「荒地でのガンマ線観測のためのオーストラリア・ 日本共同チーム」 という意味の英語の頭文字をとったものです。動物のカンガルーは Kangaroo と書きます。
[update:2006/03/01]
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『銀河団 織り成す宇宙の 網模様』
SDSSが描いた宇宙の地図を見ると、銀河は宇宙全体にわたる「大規模構造」を作って分布しています。巨大なボイド(空洞領域)がフィラメント状の構造に囲まれて、網目のような構造が形成されています。その交点に密度の高い超銀河団があります。宇宙初期の密 度ムラが膨張進化の中で重力によって集団化したのだと考えられています。
銀河の群れを銀河群、銀河群が集まると銀河団、銀河団が集まると超銀河団と呼びます。超銀河団は2億光年もの大きさを持つ、宇宙で最大の構造です。
[update:2006/03/01]
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『雲の中 生まれた 星のかくれんぼ』
星は宇宙に漂うガスが集まってできます。その過程を経て、光の産声をあげ始めた赤ちゃん星を原始星といいます。原始星の周りには、星に集まりきれなかったガスが漂っており、吸収を受ける可視光では中心を詳しく観測することができません。ガスの雲を透過する赤外線や電波によって、このような若い星の観測が行われています。
宇宙に漂う雲の主成分は、水素です。そこから生まれた若い星は、まるで産声のようにさかんにガスを噴き出します。
[update:2012/10/25]
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『計算の 予測で発見 海王星』
天王星が発見されて以来、その観測が続けられると、計算から求められる天王星の位置と観測される位置との間にズレがあることがわかってきました。このズレは、天王星の外側に未知の惑星があるからだと考えた天文学者たちは、そのズレの大きさから未知の惑星の大きさや軌道を綿密に計算し、惑星の位置を予測しました。その予測された位置を観測してみると、まさにその位置に未知の惑星、海王星があったのです。
精密な観測と揺るぎない理論に基づく新天体の発見は、なにも昔に限った話だけではありません。現代天文学でも、恒星のわずかなふらつきを観測して太陽系外惑星の存在を明らかにしています。
[update:2006/05/17]
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『黒点は ねじれた磁場の しるしです』
太陽の表面を観測すると、黒いしみのようなものを見つけることができます。これが黒点です。黒点は太陽活動の目安で、増えたり減ったりします。また、黒点は温度が低く(4千度)、磁場が強いところであることがわかっています。太陽の表面は磁力線構造にあふれており、その磁力線の根元が黒点に対応しています。この磁力線がねじれることで、太陽フレアのような爆発が起こると考えられています。
The Solar and Heliospheric Observatory
Royal Swedish Academy of Sciences
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SDO
STEREO
黒点は暗く見えますが、温度は4000度もあります。黒点が暗く見えるのは周囲の温度が高いからで、もし黒点だけを切り取って見ることが出来れば、満月よりも明るく輝いて見えるでしょう。
[update:2012/10/25]