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『ラム圧が 銀河のガスを 引き剥がす』
多くの銀河の集まりである銀河団では、銀河と銀河の間も真空ではなく、温度が数千万度にもなる高温のガスで満たされています。そして銀河は、このガスの中を秒速数百kmもの速さで運動しています。この時に銀河が高温ガスから受ける圧力をRAM圧と呼び、軽い水素原子ガスはその分布がゆがんだり、銀河本体から引き剥がされてしまったりします。またその効果は、銀河団の中心に近いほど大きくなります。
私たちの銀河系も、「局部銀河団」と名づけられた銀河団の中に位置しています。銀河と銀河の間の超高温ガスは、エックス線を使って観測することができます。
[update:2012/10/25]
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『流星雨 彗星からの 贈り物』
流星は地球大気に飛び込んできた小さな塵が輝くものですが、その塵は彗星が撒き 散らしたものです。夏のペルセウス座流星群、秋のしし座流星群などの流星群は それぞれ別の彗星を親に持ち、その彗星の軌道に沿って塵が分布しています。毎年 一回その塵の軌道を地球が横切ることによって、太陽系の果てからやってきた彗星 の一部が地球に飛び込み、すばらしい流星として見られるのです。
毎年8月11日頃に、ペルセウス座流星群が見ごろを迎えます。1999年や2001年のしし座流星群のような大流星雨は、もう当分みられないでしょう。
[update:2012/10/25]
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『ループする 磁場が熱する コロナガス』
太陽コロナは数百万度のプラズマのガスからなることがわかっています。しかし、太陽の表面(光球面)が6千度なのに、その回りになぜ数百万度のコロナが存在するのかまだまだよくわかっていません。太陽コロナはたくさんの磁気ループからできているので、この磁場のエネルギーが、何らかの形でコロナを加熱しているのではないかと言われています。この謎は太陽観測衛星「ひので」が解明することが期待されています。
太陽の表面から外側は、内側から順に光球、彩層、遷移層、コロナとなっています。 一番温度が低い部分が“光球”で、約6000度。この部分が私たちの目で見る“太陽”です。
[update:2012/10/25]
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『レーザーが 導く宇宙 高精細』
地上から望遠鏡で宇宙を観測しようとした時、最後に残る難題は大気のゆらぎです。 地上から宇宙を覗くことは、プールの底から水を通して空を見上げているようなもの で、はっきりと星が見えないのです。この大気のゆらぎの影響を打ち消すのがレーザーガイドスターと呼ばれる新技術。空に向かってレーザーを撃ち、人工的な“星”を作りだすことで、大気のゆらぎの影響がどれくらいかを教えてくれます。
近年、各国の望遠鏡で盛んにレーザーガイドスターを利用した観測が行われています。ドームから宇宙に伸びるレーザーがぼーっと光る様子は、肉眼でも見ることが出来ます。
[update:2012/10/25]
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『六十度 離れて回る トロヤ群』
木星の公転軌道上を、太陽から見て木星の前後60度離れた地点(ラグランジュ点といいます)付近を公転している小惑星の群れがあります。これらを総称してトロヤ群といい、トロヤ戦争の兵士の名前がつけられています。この場合のラグランジュ点では、太陽と木星からの重力と小惑星自身が公転する遠心力とがつり合っているので、木星や太陽に対して位置を変えることはありませんし、木星に衝突する心配もありません。
木星だけでなく、例えば火星と太陽の作る安定ラグランジュ点にも小惑星がいることが知られています。まだまだ発見されていない“トロヤ群”小惑星が太陽系にはいっぱいあるかも知れません。
[update:2012/10/25]
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『輪になって 踊る遠くの 銀河たち』
遠くの宇宙を観測していると、細く引き伸ばされた銀河の像が輪を作っていることがあります。これは銀河が本当にゆがんでいるのではなく、輪の中心にある巨大な銀河やブラックホールの重力によって、その奥にある銀河から来る光が曲げられて輪に見える「重力レンズ」と呼ばれる現象です。アインシュタインの相対性理論によって予言されたため、できた輪を「アインシュタインリング」と呼びます。
重力レンズには、リング状のものの他にも4重像や、雪だるまのようなものもあります。重力レンズの発見には、日本のグループが大きな貢献をしています。
[update:2006/04/06]